岩波少年文庫は創刊60年

岩波書店の児童書は少年文庫から始まりました。1950年岩波少年文庫が創刊されたとき、石井桃子さんは編集者としてその立ち上げに携わりました。創刊時の5冊「小さな牛追い」「ふたりのロッテ」「クリスマス・キャロル」「あしながおじさん」「宝島」は、現在も出版されています。(訳は変わっていますが)『心おどる物語の楽しさを子どもたちに届けたい』という思いが込められて選び抜かれた物ばかりで、今も色あせることなく読者に変わらぬ魅力を届けています。

ハードカバーと少年文庫の両方で出ているもの(「クマのプーさん」、「ナルニア国物語」ほか)や、かつてハードカバーで出ていた物が少年文庫になったりと今までに400タイトル以上が出版されました。現在は約260タイトルが入手可能です(百町森店頭には180前後在庫あり)。百町森のブッククラブにも多くが選書されていますし、コプタ通信の最後のページ、築山真希子の本の紹介はほとんど、岩波少年文庫からです。

さて、私が愛読した時期は、主に20代前後の5〜6年です。携帯電話もパソコンもない幸福な時代、スキーのお供はいつも少年文庫。「フランバーズ屋敷の人々1〜3」はスキーに行く度(年に何度も行っていましたから)電車の中で、ロッジの二段ベッドの上で10回は読んだと思います。

もう一つ、何度も読んだのは「長い冬」からはじまるローラの物語。おなじみの「インガルス一家の物語」ですが、子ども時代のローラが描かれるいわば前半部分は福音館発行。岩波少年文庫版は、青春時代から先の「長い冬」から「わが家への道」までの後半部分。私は先に後半部分に出会ってしまった訳です。そして当時は鈴木哲子訳。現在は谷口由美子訳。時代の流れを感じますね。装丁もちがいます。「お話を運んだ馬」は、子育て中に読みました。

文庫はコンパクトなので、小学校高学年、中学生の朝読書用におすすめです。そして、本棚で場所を取りませんので、図書館で借りて気に入った本を、文庫で買い求めるのも一つの方法だと思います。大好きな本は必ず手元に残しておきたいものですもの。

また、子どもにお薦めしたいのは当然ですが、大人が読んでも面白いものがたくさんあります。長いこと読み継がれている作品は読者を裏切ることがありません。この機会に読んでみて下さい。そして、親子で共通の本で語り合うのもおもしろいと思います。

(2010年06月 山崎直子)

この商品が含まれる商品カテゴリ・特集

本・絵本