どろぼうのどろぼん


  • どろぼうのどろぼん/斉藤倫
  • 1,500円+税(10%税込1,650円)
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商品の説明

雨の降りしきる中、一軒家の軒下で出会った男は刑事の「ぼく」にまるで手錠をかけてくださいと言うように、ゆっくりと両手をつき出しました。「どろぼうの、どろぼんです」と名乗った男は、持ち主に忘れられてしまったものばかり今まで千件くらいぬすんだそうです。

気の毒なものたちの声に呼ばれて、ごく自然に家に入り、そのものを救い出してくる。最初はぬすみをしている自覚もなく、持ち主が忘れているのですから被害届を出されることもありませんでした。しかし、いつもとはちがうものをぬすんだせいで、ものたちの声をきく力が弱まり、ぬすむことへの迷いのようなものが生まれたのです…。

どろぼんの語る不思議なぬすみの数々に魅了され、彼のぬすんだとくべつなものの運命や、どろぼんのために「ぼく」とその同僚のとる思いきった行動にドキドキしながら夢中で読みました。詩人の作者ならではの”どろぼん どろぼん どろろろろ”で始まる呪文や、ものたちのふしぎな声のリズムも印象的です。

やさしく的確に選ばれたことばが紡ぐ世界はあたたかみがありますが、実はとても過酷な現実もきちんと描いていて、こわいくらい。この辺りは読み手の年齢や経験で受け取るものが変わってきそうです。

何度も味わいたくなる佳品。久しぶりに、買いたい!と思う本に出会いました。

(コプタ通信2021年4月号より つきちゃんこと築山真希子)

チョコレートやクッキーの缶に入れといわれても困りますけれど。でもそれが家だったらどこへだって入れますよ。どろぼんはどろぼうの天才。どろぼんは「もの」の声を聞くことができる。どろぼんは絶対に捕まらない。これは、ぼくがどろぼんから聞いた話。今まで盗んできたもののこと。その「もの」たちの声のこと。そして、絶対に捕まらないどろぼんが、あの雨の日の午後、あじさいの咲き誇る庭で、どうしてぼくに捕まったのか。

(出版社サイトより)

商品詳細

作: 斉藤 倫
画: 牡丹 靖佳
寸法: 20×14cm
内容: 280ページ
製作: 福音館書店 (日本)
初版発行日: 2014年09月15日

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。

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