列車はこの闇をぬけて


  • 列車はこの闇をぬけて (児童書)
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商品の説明

6年前に出稼ぎに行ったきり帰ってこない母を探そうと決心したグアテマラの14歳の少年ミゲル。国境近くの難民センターで知り合った4人の少年少女とアメリカを目指します。

最初の難関は、メキシコとの国境の川越え。ここは船頭と、グルになっている警官たちにお金を渡してなんとかメキシコに渡り、お次は貨物列車に飛び込みます。

何度か貨物列車に乗ったり下りたりを繰り返し(もちろん非合法)アメリカに向かいますが、列車を止めて密航者を調べるふりをして移民からお金を巻き上げる警官、追いはぎ、移民を誘拐して身代金を要求するギャング団…と次々危機が襲い掛かる道中です。

以前にも国境を越えたことがあるフェルナンドの案内で旅をするうち、一行は互いにかけがえのない仲間になっていきます。彼らは無事アメリカにたどり着けるのでしょうか?

先の気になる筋立て、次々襲い掛かる困難、ミゲルたちの成長など、読み物としての面白さもなかなかですが、グアテマラなど世界でも最貧国と目される国々と、世界で最も豊かな国のひとつアメリカが、メキシコをはさんで並んでいるということを、私はこの作品で初めて意識しました。

子どもの本には、時事問題を反映し、理解を助けてくれる作品がありますが、本書もそんな一冊といえるでしょう。ラストのミゲルの手紙をどう受け止めたか、おたずねしたい!ので皆さま、どうぞお読みくださいね。高学年以上向きです。

(コプタ通信2019年8月号より つきちゃんこと築山真希子)

商品詳細

作: ディルク・ラインハルト
訳: 天沼春樹
寸法: 19×14cm
内容: 416ページ
製作: 徳間書店 (日本)
初版発行日: 2017年12月19日

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