ネフ社工場のドイツ移転に思う

デザイナー・相沢からのエール

スイス、Naef(ネフ)社が、この度、工場をスイスからドイツへ移転しました。ネフ社はスイス国内でも、過去二度の引っ越しを経験していますが、今度は国境を越えての移転です。さぞや大変だった事でしょう。

この移転のこともあって、ドリオ等のガラガラ類から、アングーラ、リグノといった定番積み木まで、長〜い品切れ期間がございました。待って頂いていた皆さん、お待たせしました。ようやくポツリポツリとですが、入荷し始めております。これからの物がまだたくさんあるので、もうしばらくお待ち下さい、でもあるんですが。

リグノの新パッケージはオシャレ!

さて移転に伴い、パッケージデザインの表記が Swiss made から、Made in Germany に変わっております。また、パッケージそのものも、ちょっと雰囲気が変わりました。ツルっとした感じかな。なかなかオシャレですよ(さすがハイコ!)。

今回のドイツ移転を、残念に思う方がいらっしゃるかもしれませんが、私なんぞは(ネフのデザイナーの一人でもあるんですが)、ネフ社がドイツへ行こうと、どこに行こうと、ネフがネフである限り、全く気にしないのですがねェ…。そう、ネフがネフである事が大事なのです。

間違いなく「ネフ」です

ではネフがネフたらしめているところは何か?って言うと、まず真っ先に挙げる条件は「精度」だと言い切って良いと思います。次に「美しさ」でしょうか。あとは「斬新さ」とか「幾何学的面白さ」、「パッケージのカッコ良さ」なんかも挙がるでしょうかね。

ネフ社の新しいドイツ工場で作られたリグノを、よ―――っく見ました。「精度」マル。「美しさ」マル。「パッケージのカッコ良さ」マル、でした。全く問題ないと、私的には結論付けました。ネフがネフたれば、今後とも良きお付き合いが続けられそうです。

故クルト・ネフ氏だったら?

そもそも、今回のこの移転は、スイス国内の人件費と諸経費の高さに起因します。結果的に価格に影響を及ぼすとしたら、人件費、諸経費の、少しでも安い国外へ移転するという選択は、経営者的にも有りだと私は思います。

創業者である故クルト・ネフ氏も、最高の品質を追求する一方で、少しでも買いやすい価格になるよう、デザインや設計、生産工程に工夫を重ねていらっしゃいました。にもかかわらず、ネフ社製品が高くなってしまう事を、ご自身がいつも気にしていたのです。そう思うと、スイス生産にこだわらず、最高の品質を保ちつつ価格を少しでも押さえようという今回の決断は、ネフ氏の想いに反するものでは決してなく、むしろ正しく引き継いでいるのでは?ネフ氏もあの世から文句を言ったりしないんじゃないかな。

最後にネフへのリクエスト

どうせなら思い切って廃盤製品のいくつかを復刻しちゃうってのはどうだ?特に、いわゆる幼児向け玩具のいくつかをさ。「スイスカー」みたいなやつ。ガラガラ類と、積み木(構成玩具)しか知らない方達には新鮮かもよ。ま、新工場の生産が軌道にのって、体力付けてから良いので…。

(2013年04月10日 相沢康夫)

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