ヘラー社のモビール
ドイツ・ヘラー社はモビールを初めておもちゃにして製品化したメーカーと言われています。
1927年から続いている会社でモビールは2代目のラルフ・ヘラーさんから始まったようです。
3代目のヤーン・ヘラーさんが百町森のお店に訪れた際に訊いたのですが、会社は6人のスタッフがいて、今もレーザーを使わず糸の子のこぎりでカットをしている、という事でした。木製なのに断面の切り口が黒くならず、シャープではあるが味わいある仕上がりになるのはそういった理由に依るのでしょう。

子供が生まれ、初めて育児書なるものを立ち読みした時、いくつかの本に「まずモビールを吊しなさい」と書いてあったのを思い出す。一ヶ月で見ることができ、一ヶ月半で追視が始まるらしいので、さっそく、和久洋三のぐるぐる回るケルンボールや、ヘラーのモビールを吊してみた。どちらもよく見ることよく見ること。大活躍である。その間に、ちょっとだけ家事ができたことも嬉しかった。しかし、追視に適しているのはモビールの方だった。ゆっくりとした動きが、赤ちゃんの目の動きにピッタリとくる様子だった。追視ができるという能力を赤ちゃんはひとたび身につけると、その能力を使いたくてしょうがないらしい。
モビールの方は、その後もずっと子ども部屋を飾っているが、洗練されたデザインは今でも全く飽きることがない。

モビールはベッドの真上より、首を横に向けたあたりに見える所に吊って下さい。室内の少しの風で自然に動きます。全く動かない時は、口で吹いて風を起こしたり、上の木のバーを触って揺らしてください。ゆらゆら揺れるゆっくりした動きが、目で物を追い始めた乳児に適しています。
似たような商品は山ほどありますが、部屋の装飾にも使える洗練されたデザインはヘラー社ならではです。97年より三代目ヤーン・ヘラー氏の作品も加わりました。
(柿田)
- [年齢] 1ヶ月〜小学生
- [寸法] 棒の長さ32cm(下写真に棒は写っていませんが、全て上の写真の様に棒に吊られています)
- [製作] ヘラー社(ドイツ)
- [原名] Holzmobile
- [作者] ラルフ・ヘラー、ヤーン・ヘラー
- [素材] カバ合板

バーの先端は球で保護されテグスもそこから出ています

バーに結んだテグスの結び目は接着剤でほどけないようになっています

吊るすのもテグスで先端が輪になっています

反りもなく表面も美しいカバ合板を使っていますが、断面も綺麗に仕上がっています

カバ合板にシルクスクリーン印刷するとこんな感じ

合板を重ねてタッカーでずれないよう固定し糸ノコでカットします