月にトンジル


  • 月にトンジル/佐藤まどか・佐藤真紀子
  • 1,300円+税(10%税込1,430円)
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商品の説明

「ぼく」には旬・マチ・大樹の3人の友だちがいて、毎週土曜日には必ず4人で公園に集まっています。ぼくは宇宙に興味があってゲーム好きだけれど、スポーツは得意でサッカーも好き。旬は料理好きのイケメンで運動は苦手。大樹はスポーツ万能な豪快キャラでデジタルが苦手、紅一点のマチはシュートが得意で犬が好き。幼稚園の頃から仲のいい4人は、強くて壊れない鉄の四角形という意味のテツヨンというグループを作っているのですが、小6の今年は幼稚園以来はじめて全員同じクラスになりました。ところが大樹が親の転勤で引っ越したことをきっかけに、公園に集合することもなくなり、グループチャットも途絶えてしまいます。その、疎遠になっていく一部始終を、語り手の「ぼく」の目線で追っていくお話。

一年前に亡くなった「ぼく」の祖父が生前、『地球からは月のオモテからしか見えないが、こっちから見えないウラガワがあるように人にはウラガワがある』といい、大人になると「冷めたトンジルの脂が分離してうく」ようにそれがはっきりしてくると語っていました。その言葉を噛みしめながら「ぼく」は自分や仲間たちの、今まで知らなかったウラガワを発見して成長していきます。

「わたしたち親友だよね」って言葉にする関係が苦手なワタシは「テツヨンだとぅ?」と思いながら読み始めたのですが、「ぼく」の素直な目線で、なんで仲がいいのかわからないけれど、ずっと一緒だった幼い関係が変わっていく切なさを味わうのは悪くない体験でした。友情とか人間関係とかいろいろ名前を付けられる要素が盛り込んであるけれど、それほど説教臭くないです(じいちゃんのセリフははっきり言って説教臭いですが、そもそもそういう設定なんですよね)。

状況や気持ちの動きがとてもていねいに、自然な感じで描かれているところに作者の力量を感じます。今子どもの読者も、かつて子どもだった大人の読者も、こんな気持ちあるな〜と思える作品、しみじみしちゃってください。

(コプタ通信2021年12月号より つきちゃんこと築山真希子)

「テツヨン」とよびあう仲良し4人組のムードメーカー、ダイキが引っ越すことに。変化を受け入れられない主人公トールは、おじいちゃんが残した言葉をきっかけに、見えていなかった「テツヨン」の内面に気づきはじめる……。オモテとウラの顔があることにはじめて気づいた怖さ。ウラガワをもつからこそ感じる人間らしい魅力……他人の心にふれるとまどいを、等身大の目線でみずみずしく描く。友情の変化がリアルな成長物語。

(出版社サイトより)

商品詳細

作: 佐藤 まどか
絵: 佐藤 真紀子
寸法: 20×16cm
内容: 192ページ
製作: あかね書房 (日本)
初版発行日: 2021年05月

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。

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