ネフ社創立50周年記念パーティー(4):おもちゃ:百町森

ネフ社創立50周年記念パーティー(4)

9月23日 パーティー当日「ディナー」

2005年10月 相沢康夫

午後5時。ここで一旦、ネフ社を離れて、参加者全員バスに乗り込む。なにせ、100人を超える来賓達。バス3台に分かれて移動。「どこへ行くの?」とネフ社スタッフに聞いても「ナイショ」と言うだけで、目的地を教えてくれない。約1時間ほどバスに揺られ、ついた所は(たぶん)アーラウに近い、植物園。全員バスを降り、今度はこの植物園の中にあるSLに乗り替える。本物の蒸気機関車は、すごい迫力だ。このSLで約30分ほど植物園の中をめぐってゆく。とても広大な敷地なのだ。盆栽や観葉植物がものすごい数並べられた温室の間を進んで行き、着いたところが植物園併設のレストラン。日はとっぷりと暮れ、時計を見るともう7時を廻っている。これからディナーだ。それにしても、元気な参加者たち・・・。ヨーロッパ人は、大人も遊ぶ時は徹底的に遊ぶんだよね、ホント。

そう言えば、日本で企業のパーティーなんかがあると、他社の社長なんかも出席したりするんだけど、1時間もすれば、「では、私はこの辺で・・・」とか言って、帰ってしまうことが多いような気がする。ま、そういう経験はあまりないので、想像なんだけど・・・。ルルさんやケルナーさんたち、なんてまあ、付き合いのよい社長さんたちでしょう。

前菜をいただいていると、創設者クルト・ネフ氏のスピーチが始まった。クリちゃんがかいつまんで通訳してくれる。ネフ社の50年、ネフスピールを持ってヨーロッパ中のおもちゃ屋さんに行商した黎明期。ひとつのアイデアを最高の水準で形にすることに全情熱を燃やし続けた初期の頃。経営的にたいへんな時期も当然あった訳です。本当に心から「おめでとう50年」と言いたくなる素晴らしいスピーチだった。

さて、私達のテーブルは、ルルさんとクリちゃんの他になんと、まア、現社長のエンゲラー氏と奥様が同席だった。アジア人の唯一の参加ということで、お気遣いいただいたのかな? 私は社長といろんな話をした。私はこのところ、立て続けに(と言っても5、6点だが)ネフ社に送った試作品がボツになっているので、社長はそれを気にしてくれていて、しきりに「申し訳ない」とおっしゃるので、ちょっと恐縮。「めげずにガンガン送ってくれ」「ヤー、ナチューリッヒ」(はい、もちろんですとも。)

ゆったりと流れる時間・・・。10時を廻った頃、その社長のエンゲラー氏のスピーチが始まった。「ネフ社は今年50年になります。私も、今年50歳です。」(エ〜ッ? エンゲラー氏、ずいぶん貫禄あるけど、私と同じ年だったの?)次に彼が言った言葉が「ネフ社はネフさんの子どもです。」私は、この言葉にいたくいたく感動してしまった。ネフ社が50年よくもったと、最初に書いたが、ネフ氏と知り合って15年、デザイナーデビューして13年。私自身、ネフ社のいろいろな時代を知っているのだ。社長も4人ほど知っている。そうした時代の中、正直、「ネフ社=クルト・ネフ」という色を消し去ろうと考えた社長も存在した。でも、振り返って思うことは、ネフさんを排除(?)しようとした時期ほど、ネフ社は経営的にも芳しくない時期だったように思えてならないのだ。クルト・ネフ氏は確かに現ネフ社にとっては、一創設者にすぎないのかもしれない。でも、ネフさんを愛してやまない人たち(私もその一人)が、これまでネフ社を支えてきたに違いないと思うのだ。ハッキリ言って、ネフ社がアートやデザインの好きな大人だけのためのメーカーになったら終わりだ、と私は確信している。来年80歳になるネフ氏は、今も現役のおもちゃデザイナーで、主に『子ども向き』のおもちゃを作り続けている。私は、エンゲラー社長の話を聞きながら、そんなことをつらつらと考えていたのだった。「私達はあなたの子どもだ」と言い切る現社長に、私は心から拍手を送りたいと思った訳である。地下のクルト・ネフ個人工房にしても、ネフ氏を会社が大切にしていることが見て取れる。情緒的な捉え方かもしれないが、私には(ネフ社は大丈夫だ)とふいに思えたのだった。

エンゲラー氏は、ネフ氏に50周年の記念品を贈呈したいと言った。曰く「我々ネフ社スタッフは、本日、クルト・ネフ氏に差し上げる記念品を何にするかずいぶんと頭を悩ませました。スタッフの一人から『金のネフスピールを作ってあげたらどうか?』という意見が出て、満場一致でそれに決定しました。ここに、純金のネフスピールをネフ氏に捧げたいと思います。」盛大な拍手の中、金のネフスピールと黒のスタンド(これもネフスピール)のセットがネフ氏に手渡された。このセレモニーの後、ネフ氏は、大勢の参加者にそのネフスピールを見せて廻りながら、ご満悦の体であった。それを見た人は、皆一様に生ツバゴックン・・・という様子。

エンゲラー社長のスピーチは、その後ジョークの連発で皆をわかせて、無事終了。さて、この後、メインディッシュをいただき、デザートのアイスクリーム(これがデカい)をいただき、コーヒーをいただき、途中、芸人のパントマイムやら大道芸を見て、パーティが終了したのは、午前0時を過ぎていた。なんとまア、ハードで楽しいパーティだったんだろう。その後、バスにまた1時間揺られ、午前1時過ぎ解散・・・とあいなったのである。

さて、パーティの終了後、ネフ社から参加者全員に配られた記念品がある。何かと言えば、なんと、ネフさんと同じ、あの金のネフスピールだったのである!参加者は、たぶん全員(もちろん私も)箱を開けた瞬間、どえらいビックリだった。・・・で、次の瞬間に思うわけだ。(なんだ・・・これ、木製のネフスピールに金の塗装をほどこしたものなのね)。そして、またまた次の瞬間には(アレレ? まてよ・・・では、あの時、エンゲラー氏からネフ氏に渡されたネフスピールも純金製ではなく、これと同じものだったのかな?)と思いいたるのである。ネフ氏がもらった1ヶのみは、本当に純金製だったのかもしれない。または、我々がいただいたものと同じく木製の金塗装のネフスピールだったのかもしれない。私は後者であろうと思う。ネフ社らしいジョークだな・・・と納得がいく。まぁ答は、知らないままにしておくのが楽しいと思い、確認はしなかったのだが・・・。

コプタ通信2005年11月号 相沢康夫 AIZAWA yasuo

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