開けるパズル
隠された仕掛けを外して開けるパズル。フタのある箱、トリックのある錠、秘密箱やからくり箱などが含まれます。美しい木のからくり


「からくり創作研究会」最大の重鎮亀井明夫氏をご紹介します。拙著『まだ好き・・・続・絵本とおもちゃの日々』でも一度取り上げた事があります。彼の作品は、とにかくバラエティーに富んでいます。発想の幅が広いんですね。亀井氏は、『真面目に取り組まなければならない箱、真面目に取り組んでは開かない箱、常識の逆を考えなければならない箱、ユーモアが解らなければ開かない箱等々・・・こうなると、からくり箱を初めて手にする人も「こういうものは得意だ」と自負する人もスタートラインは同じなのです』と語っています。まさにその通り。
美しく素晴らしい仕上げ(・・・そのせいでちょっと値はいいけどね)、パズル好きの恋人や友人に、ちょっと気合いの入ったプレゼントにいかが?
(「コプタ通信」2009年12月号/相沢)
からくり創作研究会
「からくり創作研究会」は、箱根小田原地方を中心に、楽しく質の高いからくりの創作を目指す職人集団です。それぞれが個性豊かな作品を作っていますが、「研究会」名義で、手頃な価格で面白い「からくり小箱」や、昔の歴史的なからくりの復刻版を作ったり、本を出版したりと、幅広い活動もしています。
からくり小箱
「からくり小箱」シリーズは、手のひらにちょこんと乗るポケットサイズ。仕掛けはシンプル、でも面白い。そして丁寧な作りと美しい仕上げ。三拍子揃ってこの価格!
ちょっとからくり
「ちょっとからくり」シリーズの開発を始めました。「からくり小箱」よりも更に「ちょっとした」からくり作品を作ります。「ちょっとした」アイディアでありながら、十分に楽しめてしまう、そんな作品を目指します。意外性、シンプルさ、低価格をキーワードとし、凝ったからくりではなく、軽い気持ちで楽しめる作品を目指します。
田嶋士郎

小田原という環境の中で、幼い頃から秘密箱や寄木細工を見て育ちました。小学生の頃に、祖父に4回の秘密箱を買ってもらい、嬉しかったのですが、それ以上に、7回を買ってもらった兄をうらやましく思った思い出があります。私自身、手でさわってこちょこちょと動かせるような作品が好きなので、さわって動きが面白い作品、さわり心地のよい作品を作りたいと考えています。
- 1971
- 愛知県春日井市に生まれる
- 1996
- (株)露木木工所に入社
- 1998
- 木工品フェア出品
- 1999
- 木工品フェア出品
岩原宏志

私の親方である亀井明夫氏の作品の一つに、CUBIという作品があります。二進法(BINARY)の動きをする立方体(CUBE)の箱です。「ややこしい」からくりの頂点のような作品ですが、私はこの箱に感動し、「CUBIのような作品を作りたい」と思い、からくりの世界に入りました。複雑な機構とシンプルな表現がうまく組み合わされた時、そこに、機能を重視するが故の美しさというものが生まれると思います。私は、こんな作品を目指します。
- 1973
- 福島県に生まれる
- 1997
- 埼玉大学工学部建設基礎工学科卒業
- 1999
- 長野県松本技術専門校木工科卒業
- からくり細工「安兵衛」亀井明夫氏の元に弟子入り
- からくり創作研究会に参加
宮本達雄

父親がトリック作品を作っていたこともあり、私も木工を始めた当初からずっとトリック作品を作り続けてきました。「犬くわえ」などのトリックの入ったタバコ入れ、「古典円盤オルゴール」、「蓄音機」、「街頭オルガン」など、様々なトリックを作ってきました。オルゴールを使ったからくりだけではなく、新しい一味違ったからくりを作っていきたいと考えています。
角田遥子

ずっと木で何か作りたいと思ってきました。
目指す物は毎日の時間の流れの中のフトした瞬間に、くすりと笑える作品です。
そうして作った物で人を喜ばせる事ができたらとても嬉しく思います。
- 2004
- 金沢美術工芸大学工芸科漆・木工コース卒業
- 2005
- 長野県立上松技術専門校・木材工芸科卒業
- 2006
- 小田原へ移住。からくり創作研究会に参加
川島英明

幼少の頃からものつくりが好きでした。大学では空間演出の事について勉強してきましたが、「触れる物を作りたい」という気持ちを捨てきれず、木工の世界に来ました。
幾何学をベースに、木の持つ表情を活かした作品を作りたいと考えています。自分の作品でコミュニケーションが生まれれば幸いです。
- 1985
- 神奈川県保土ヶ谷に生まれ、東京へ
- 2007
- 武蔵野美術大学・空間演出デザイン学科卒業
- 2008
- 小田原へ移住。からくり創作研究会に参加
からくりパズル工作キット
からくり創作研究会企画・製作による「からくりパズル工作キット」です。キットに入っている材料は、必要な大きさにカットされ、穴などの加工も済んでいます。説明書を見ながら、ボンドを使って組み立てます(木工用ボンドはご用意下さい)。
自分で作ることで、「からくり」の秘密ががよ〜くわかります。作ったら、友だちに「開けてごらん」と言って手渡すのも楽しいよ。
写真は完成したものに、さらに彩色されています。実際には彩色されていないので、絵の具やペンなどで好きな色を塗って、自分だけのオリジナル作品を作りましょう!
キットに入っているもの
- カットされ加工された木材(カツラ、合板ほか)
- 必要に応じて、ピン、磁石など
- 詳しい作り方説明書
作るのに必要なもの
- 木工用ボンド
- 手ぬぐい(手に付いたボンドをぬぐうため)
- 絵の具など(必要に応じて)