商品の説明

始まりに『すき』と言う詩があり、その後にあいうえお順に言葉と写真が続いて行きます。＜あ＞は「あられ」とその写真、と言う具合に。この本の面白いところは文字の配置。例えば＜い＞の「いるか」は素直に左から読むと「かるい」と読めるのですが、隣の写真とあわせて見ると「いるか」だと気付く。本の中をひらがなが意思を持って動いているみたいに自由で、一つの単語の中にいくつもの言葉を見付ける言葉遊びもある本です。

（コプタ通信2024年4月号より　ゆずりはすみれ）

「美しいより、おもしろく。意味があるより、おもしろく」。

こんなキャッチフレーズで全国を巡回中の「谷川俊太郎　絵本★百貨展」のために、詩人の谷川俊太郎と写真家の田附勝が絵本を作った。本のテーマは「すき」。谷川がすきなもの、すきな言葉を、「あ」から「ん」まで順にあげていき、田附が日本全国を旅して写真を撮った。

「すき」は、谷川俊太郎がすきな言葉の一つ。本や詩集のタイトルにもたびたび登場する。「すき」は、誰もが自由に思い、表明することのできる、明るく肯定的な感情だ。「あ」から「ん」までの、谷川と田附が表すさまざまな「すき」を見ていると、生きるパワーと、未来への希望が体を満たす。

「すきのあいうえお」をみんながやったらいいね、と谷川はいう。自分の「すき」を言葉にしてみると、ああそうか、と、忘れていた自分を発見する。そして嬉しくなって、自分のことがすきになる。『すきのあいうえお』はそんなことを提案する、おもしろい本だ。

（出版社サイトより）