コムソモリスク第二収容所の奇跡
シベリアのバイオリン
- シベリアのバイオリン/窪田由嘉子
- 1,200円+税(10%税込1,320円)
054-251-8700
商品の説明
今回は同じ作者による同じタイトルの作品2冊をご紹介します。内容もほぼ重なりますが、片方が詳細な大人版、もう一方は挿絵をふんだんにちりばめ手にとりやすくした青少年向けで、副題が異なります。主人公は作者の実父。作者は生前父がシベリア抑留の体験を語るのを聞いてもさして関心をもたず、どの収容所にいたのかも知りませんでした。父が亡くなってから調べたことをまとめたのがコムソモリスク第二収容所の奇跡、やさしい文章にしたのが「あなたに贈る物語」です。
機械いじりと楽器が大好きな一郎少年は、友だちの家のレコードで知ったバイオリンが欲しくてたまらず、自作までします。その後本物のバイオリンを買ってもらえましたが、当時は戦時中で練習もままならず、思う存分バイオリンが弾けるのではと満州国の学校へ進学します。ところが満州でバイオリンを習い始めて間もなく召集令状が届き入隊。一年後、戦争は終結しますが、今度はソ連軍の捕虜となりシベリアの収容所へ。
収容所の過酷な日々の中で、一郎はバイオリンを作ります。完成したバイオリンを手に収容所内で結成された楽団のメンバーに加わると、やがて楽団はコンクールで入賞するまでになり、日本向けのラジオ放送に出演することに。生放送の当日、曲の解説を担当した人は、日本語でメンバー全員の名前と住所を読み上げました。日本ではそれを聴いて、全員の名前を書き止め、家族に伝えた人がいました。
詳細版のエピローグを読むと作者が様々な資料を読み込み、父から聞いた話と父の書き残した文章、父宛のハガキなどから縁をたどって本作を完成させたことがよくわかります。音楽や物語の持つ力や意味を再確認させてくれる物語です。
(コプタ通信2025年3月号より つきちゃんこと築山真希子)
生きる希望とは? 生きる力とは?
「バイオリンを思う存分弾きたい! 」その一念で著者の父、窪田一郎は、戦時下の昭和18年、17歳で満州に渡った。 しかし、待っていたのはシベリア抑留という過酷な現実。捕虜生活が長引くなか、一郎は廃材を集めてこっそりバイオリンをつくりはじめた。それをきっかけに、収容所で楽団と劇団が生まれ、捕虜たちの生活に喜びをもたらした。やがて一郎たちは、日本向け短波ラジオで演奏することになる。その時、楽団長が思いがけない行動に出て…。 シベリア抑留の実話に基づいた、胸ふるえる物語。
数万の人が命を落としたとされているシベリア抑留。本書はその歴史的事実を伝えると同時に、そんななかでも音楽や芸術文化に喜びを見いだし、希望を捨てず生き抜いた人々がいたことを教えてくれます。みんなの願いが集まったところに訪れる奇跡を、ぜひ受け取ってください。
(出版社サイトより)
商品詳細
著: | 窪田 由佳子 |
---|---|
内容: | 112ページ |
製作: | 地湧社 (日本) |
初版発行日: | 2020年 |
商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。