大人になるっておもしろい?


  • 大人になるっておもしろい?/清水真砂
  • 840円+税(8%税込907円)
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学生たちに「かわいい」という言葉を使うな!と言い続けた著者の真意は?

内容

自分を信じきれず、個性や「らしさ」を探しながらも一方で人と違わないことに心を砕く若者たち。

大人になる直前のとまどいや悩みは尽きず、未来に希望を思い描くのも難しい。

そんな10代に魂をゆさぶる数々の物語を通して、悩むこと、傷つくことを恐れず、もっと伸びやかに自由に生きようと呼びかける、青春の羅針盤となる一冊。(版元解説より)

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この本は最初から最後まで大人にとってもなかなか「濃い」内容だが、中でも第6信「ルールとモラルがぶつかったら」の章は圧巻である。(以下本文から引用)

「ゆたかになる」とは?

・・・人はよく「本を読むと心がゆたかになる」と言います。「すぐれた芸術は人の心をゆたかにする」とも言います。でも、「ゆたかになる」って、どういうことなんだろうと考え始めたのです。

大人が子どもに向かってこうしたことばを発するとき、その「ゆたかさ」の中に怒りや哀しみ、嘆きや悲嘆、絶望や後悔、不安や恐れは入ってきているのだろうか。そんなことが気になりだしたのです。

私たちは「心がゆたかになる」と言うとき、どうもこころが穏やかになるとか、やさしくなるとか、前向きな気持ちになる、といったことを想定しているのではないでしょうか。とりわけ大人が子どもたち向かって言うときには、こうしたこと以外はほとんど考えていないように思われます。

でも、と思うのです。でも、本当にそれだけなんでしょうか。「心がゆたかになる」とは、そんなに心地よく、心が平らかになることだけを指すのでしょうか。

(中略、著者の読書の体験などが語られる)

それは、大地を鍬で耕す作業にも似て、そう、そのとき新しい空気が地中に送り込まれるのでした。それは私だけではない。多くの人にとっても、本を読むということは精神という大地を耕して、でこぼこにし、絶えず新しい酸素を送り込む作業を意味するのではないでしょうか。

心がゆたかになるとは、ただ、心が平穏になることだけを言うのではない。それもなくはないのでしょうが、自身の内なる闇に気付かされておののくこと。封じ込めたはずの怒りや、押し殺したはずの悲しみの目覚めにふるえること。それもまたゆたかさの中身だと思うのです。

心がゆたかになるということは、天国を見ることと同時に地獄を見ることさえ意味しかねない。ゆたかの中身に私はいつかそんなことさえ入れて考えるようになりました。

(清水眞砂子著『大人になるっておもしろい?』第6信「ルールとモラルがぶつかったら」より 一部段落を変えさせていただきました。)

この後「感動するとはどういうことか」という話しにつながっていく。それはあまりにもこの本の核心ですので転載ははばかられますが、素晴らし過ぎる内容だ。ぜひぜひ読んで頂きたい。

大人が押しつけてくる価値観に自身も居心地の悪さを感じ続けてきた著者が、若者たちに真剣に生き抜く(もしくは息抜く)ことを説いている。大人にも読んでもらいたい一冊だ。

(コプタ通信別冊2015年6月号より 柿田)

商品詳細

年齢: 高校生〜大人
著: 清水眞砂子
寸法: 17×10cm
内容: 240p
製作: 岩波ジュニア親書
初版発行日: 2015年4月21日

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