ノブ付きパズル(つまみ付きパズル)
つまみの付いたパズルは一般的なパズルよりは対象年齢が低めです。だいたい1歳前後から、まず抜くことができ、1歳半頃にははめられる子もいます。3歳過ぎまで楽しめます。
はめる時は大きさと向きが認識できていないとならないので、最初は大人が場所を指さしたりして、ヒントを与えるのがいいと思います。指でつまみながら簡単に向きを変えられるのがつまみ付きの利点でもあります。どの子も、はまった時や、全部はまり完成した時には達成感、満足感を覚えるのは他のパズルと共通です。
1歳半くらいになると、親指と人差し指が対向した操作が出来るようになります。親指と人差し指で「つまむ」という行為は、霊長類の中で人間にしか出来ないことなのだそう。 赤ちゃんの成長に人類の進化を感じる瞬間、ちょっと感動的ですらあります。つまむ操作が確立した上で、更に親指に力が入るようになると、棒状の物をしっかり握り込むことができるようになります。これから人間として様々な道具を使うための大切な一歩ですね。

大きさ比べと抽象的な形
子どもたちは成長する中で色々な物に触れ、形や色、大きさや量など、物の性質や仕組みに気づいていきます。つまみが付いている事で操作がしやすいパズルに、大きさ比べや、色や形の仲間分けの要素を加えたパズルもご紹介します。
数理解の最初は「大きい・ 小さい」の感覚の理解から始まるそうです。生活経験が乏しく、ものの概念のイメージが少ない子どもにとって、大きさの比較というのは、大人が考えているよりも難しいもの。 同じモチーフが大きさ違いで並び、比べる対象があることで、それらの関係性に気がつき、大きい・小さいを理解しやすくなります。

「全く同じモチーフ」というのは、面白みが減る気がするかもしれませんが、「大きさ」の関係に気がついて欲しい時には、それ以外の要素に気を取られない方が良い場合もあります。 大きい・小さいが、感覚ではわかっていても、言葉と結びついていない場合があります。 大人は「こっちの方が大きいね」「一番小さい三角はどれかな?」(他にも、多い・少ない、長い・短い)などの量や大きさを表す形容詞を、遊びや生活の中で意識的に添えてあげるのが良いと思います。 感覚運動操作を通して大きさ比較をしながら、それらを言葉に置き換える力の獲得を後押しします。
年齢による変化と遊び方のヒント
年齢の目安 | 発達段階 | 遊びのヒント |
---|---|---|
1歳 | ツマミをつまんで抜くことができる | 隣で見守る大人は、モチーフの名前を口に出してあげたり、嗚き声を真似したり、日常生活に落とし込んで会話を楽しみながら遊ぶ。偶然でもはめられた時には一緒に喜ぶ。 |
1歳半くらいから | 段々はめられるようになってくる | 「大きさ」や「向き」が認識できていないと出来ないので、大人が場所を指差したりして、ちょっとしたヒントを出す。正解がわかっている場合にも、全ての場所に順番に入るか試したい場合もあるので、時にやりたいことを見守ることも必要。 |
2歳から3歳 | しっかりはめられて、自分でお話や会話を楽しむ | 正解の場所にきちんとはめられたことを確認し、しみじみと一緒に達成感を味わう。1人で、動物の名前や鳴き声などを言いながら集中して取り組んでいたり、お話などを作って展開している場合には見守る。 目を瞑って、触覚をヒントに物の名前を当てるゲームなどにしても楽しめる。 |