半分のふるさと


  • 福音館文庫 半分のふるさと
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今、韓国・朝鮮について日本の国政レベルでは非友好的な行動ばかりでなげかわしい時世だが、こうしたすぐれた文学の存在によって、日本が近代、朝鮮半島の人たちに何をしてきたか、彼らが日本をどう思うのかを、市民の目線で知ることができることは素晴らしい。

そして、こうしたことを知ることは日本の子どもにとっても、本当の意味で誇りを持って世界を舞台に活躍できる国際人になることにつながっていくのだと私は思う。

内容

著者のイ サンクムは両親は朝鮮人、1930年広島で生まれ、終戦直後まで15年間日本に育った女性。

この本は物心がついてから終戦(彼らにとっては解放の時)を向かえた年、祖国に帰るまでのことを綴った自伝である。

1910年からの日韓併合時代、日本は35年間朝鮮を支配した。

おじいさんはそんな中、1919年の三一独立運動に関わり行方不明になり、母は9歳で孤児になっている。

そして、母は13歳の時、誰かの誘いで日本に来ることに。

創氏改名により著者も日本名がつけられ、小学校へ入学するが、日本名が自分ではないような気がしてぼうっとしていたことで、クラスの子からいじめを受けるようになり、それがだんだんエスカレートしていく。

2年の時、あまりに辛い目に遭わされとうとう学校に行けなくなるのだが、そんな中も母親は朝鮮人としての誇りを持ち続ける。

しかし、日本で生まれ育った著者の心はその狭間で揺れ動く。

なかなか読み手としても辛くなって来た頃、転校した新しい学校で、「朝鮮は美しい国」と言ってくれ、本名で通うことをすすめてくれ、本の読み聞かせなどをしてくれる岡広先生の登場となる。

この先生との交流場面は、日本人読者として、本当に胸を張れる部分で救われる思いがし、嬉しくて、読み進む気持ちが膨らんでいった。

以後も辛いこと楽しいこと、悲しいこと誇れること・・・を、ユーモアも交えた沢山のエピソードとともに語っていく。

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この本は名著であり、日本人と韓国・朝鮮人を結びつける貴重な本である。

また、在日コリアンについて市民感覚で理解するのにもいい本だと思う。

この本を私は出たばかりのころ(初版ハードカバー1993年)から読まなくてはと思いつつ、日本人がした朝鮮人に対しての悪行がどれほど書かれているだろうと重い気持ちになり、なかなか手にとる事ができなかった。

ところが読み始めて、著者が愛情を込めて戦前・戦中の日本での生活を書いていて、日本のことを郷土愛的にとても愛していることがわかり嬉しくなった。

私はこの本を読んで改めて日本と韓国・朝鮮は切っても切れない兄弟のような間であると強く感じた。

そして、日本人と韓国・朝鮮人は仲がいい事を、子どもたちに示していけるように、大人はもっと努力して行かなくてはいけないと切に思う。

野間児童文芸新人賞、坪田穣治文学賞、産経児童出版文化賞・JR賞、日本児童文学者協会新人賞

小学校高学年くらいから。

(コプタ通信別冊2014年4月号より 柿田友広

商品詳細

年齢: 小学高学年〜
作: ィ サンクム
画: 帆足 次郎
寸法: 17×12cm
内容: 452p 
製作: 福音館書店(少年文庫版)
初版発行日: 2007年11月20日

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