モノからモノが生まれる


  • モノからモノが生まれる/BRUNO MUNARI
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企画設計の醍醐味と方法論

「企画するのは、そのやり方を知っていれば簡単なこと」と、さらりムナーリは言い切る。本書では、その言葉に応えるために、料理にはじまり家具、アクセサリー、子供のためのおもちゃや本、車、建築など、さまざまな種類のモノについて、その具体的成功例・失敗例を取り出し検証しながら、企画設計の方法論を明快に示してゆく。

優れて機能的で美的、いつしか長く愛されつづけている無名の日用品に「本質的なモノ」という言葉を向けるムナーリからは、〈デザイン〉の社会的役割、〈デザイナー〉の職能への期待と情熱が伝わってくる。

「豪華さはデザインの問題ではない。」

(裏表紙解説より)

ムナーリは、イタリアのラテルツァ出版から5冊のデザイン・芸術論の本を出しました。本書はその最後にあたります。

  • 「芸術としてのデザイン(1966)」
  • 「デザインとビジュアル・コミュニケーション(1968)」
  • 「芸術家とデザイナー(1971)」
  • 「ファンタジア(1977)」
  • 「モノからモノが生まれる(1981)」
  • と言っても、それぞれは全く別の著作で、前の4冊を読まないと理解できないということはありませんので、ご安心下さい。むしろ、これまで同様、豊富な図版を引用しながら、わかりやすい語り口でムナーリの考え(哲学と言ってもいいでしょう)が紹介されています。

    この本では、様々な切り口でデザインが語られます。「問題とは何か?」では、問題を解決に導くためのアプローチが順を追って丁寧に語られます。「スケッチとデッサン」では、アイデア用のメモから、解体図、CADまで、企画設計で活用されるデッサンを紹介します。

    「分析表」で語られるムナーリの考えは、本質的で明快です。だからこそデザイナーが立ち戻るべき視座となりえるように思います。

    (前略)もし、デザイナーが、モノがそうある理由を理解したいと思うなら、可能な限りすべての側面について検証しなければならない。

    それは、個人的価値に基づく観点からだけでなく、機能性、操作性、色、フォルム、材料といった客観的価値に基づく観点からも検討が必要だということである。そうした事項を、客観的な基準にしたがい検証し、その結果、正しいか、間違っているかを検討しなければならないのである。

    そこで、ここでは分析すべき項目の一覧を挙げる。(後略)

    どんな項目が挙げられるかは、本を読んでのお楽しみ。そして、この分析方法で、彼は「匿名のデザイン」(シャッター用南京錠、薪割り斧、ガレージ用ランプなど)を検証するくだりは、私の最も好きな部分です。なぜかというと、ムナーリは才能を持つ特別な人だけども、彼の説く方法論やアプローチはわかりやすく、多くの人が実践可能です。そして、ここで彼がやっている分析も、「私にもできる」と思わせてくれるからです。

    さて、この本では、ムナーリ自身の作品についても語られています。読めない本、闇の夜に、本を読む前の本、アビタコロ(ちいさな部屋)、プラス・マイナスなどなど…。ムナーリ・ファンにとっては、さらに楽しめる本です。

    (佐々木)

    商品詳細

    作: ブルーノ・ムナーリ
    訳: 萱野有美
    寸法: 19.5×13.0cm
    内容: 384ページ
    製作: みすず書房
    初版発行日: 2007年(原著1981年イタリアLaterza社)
    原著: Da cosa nasce cosa

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