路上で生きぬいた少年

ソンジュの見た星


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商品の説明

1990年代の北朝鮮。軍の高官を父に持つソンジュ少年は、平壌で何不自由なく暮らしていました。ところがある日突然、両親からしばらく休暇をとると告げられ、寒村のぼろ家に移り住むことに。父が失脚したのです。

当時、地方の村では人々が配給制度の崩壊と悪天候のため飢餓に苦しんでいました。当初は父の蓄えで食料を調達していたソンジュの家もすぐに困窮し、まず食料を求めて中国に渡った父が、次に親戚を頼ると言いおいて出かけた母が消息不明に。

残されたソンジュは同じような境遇の同級生の少年たちと「コッチェビ団」(コッチェビは浮浪児のこと)を結成し、窃盗や大道芸をして稼ぎます。ひとつの市場で顔を覚えられると貨物列車にもぐりこんで別の街へ移動し、そこを縄張りにする別のコッチェビ団と対決したり、捕まって収容施設に入れられ、逃亡したり…。壮絶な日々が4年間!

時折住んでいた村へ戻り、家族の消息を確かめていましたが、ある時ずっと捜してくれていた祖父と再会します。その後脱北し、英米に留学してこの作品を書きました。

半自伝のため、父の失脚の理由や、自分の正確な年齢など身元が特定される情報は明かせないそうです。波乱万丈な物語にはぐいぐい引き込まれ、これが創作なら「ああ面白かった」と言える展開ですが、現実だと思うとなんて過酷!

近くて遠い国、北朝鮮。どんな国で何が起きているのか、私はほとんど知りませんでした。あたりまえですが、そこで暮らす人々も家族を愛し、友だちを大事にし、必死に生き抜こうとしている…。「知る」ことで「思いやる」ことができますように。

(コプタ通信2020年4月号より つきちゃんこと築山真希子)

商品詳細

著: リ・ソンジュ、スーザン・マクレランド
訳: 野沢 佳織
寸法: 19×14cm
内容: 376ページ
製作: 徳間書店 (日本)
初版発行日: 2019年05月25日

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。

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