岸辺のヤービ

商品の説明

表紙の、木の枝に腰かけている不思議な生き物、これがヤービです。

この小さな種族には独自の文化があります。ヤービの暮らしぶりを私たちに紹介してくれたのは、丘の上の寄宿学校で教師をしている「ウタドリさん」です。彼は、丘を下ったところの小さな湖で、岸辺の鳥の巣の中のヤービと出会いました。

互いにびっくりして見つめ合ったあと、ウタドリさんは手にしていたミルクキャンディをヤービの前に置きます。このミルクキャンディがヤービのいとこの命を救い(くわしいいきさつは読んでみてのお楽しみ)、後日感謝を伝えにきたヤービと親しくなった…というわけです。

蜂飼いをしているヤービ一家や、鳥に乗れる隣人のベック族たちの生活やささやかな冒険、周囲の自然がていねいに描かれています。

設定は現代らしく、変わりゆく人々の暮らしや、自然に思いを馳せるきっかけにもなりそう。どこか懐かしい語り口の物語と、今どき珍しいケース入りの凝った製本、こういうの好き、という方も多いことでしょう。

すぐ近くにいるのに姿を見せない、小さな人を想像したことのある方には特におすすめです。高学年から。

（コプタ通信2016年1月号より　つきちゃんこと築山真希子）