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わたしの夢は、いつかこの川に橋をかけること……。南米チリのイラストレーターが描く、明るい光と笑い声にみちた平和を願う傑作絵本。

（出版社サイトより）

「川のむこう岸に住んでいる人たちは、へんなものを食べているし、髪の毛をとかさない、怠け者で騒々しいから、かかわっちゃダメ」と大人たちは言う。でも、「向こう岸の人はわたしたちのことをなんていっているのかな？」とわたしは思う。ある日、むこう岸から男の子が手を振ってきた。その子がニッコリしたので、わたしもニッコリ答えた。あくる日、男の子が綱を持って繋がれたボートが…。実際に行ってみたら、髪の毛の様子や肌やにぎやかな服装の色は確かに違うが、生活や気持ちは自分たちと全然変わらないひとたちだった。男の子と女の子は友だちになった。そして、ふたりは思う、おとなになったら、あっちからこっちへあいに行ける橋をかけようと。

この絵本は国や民族間の偏見や差別のことを的確に描いた良作だと思うが、こういう大きなテーマを絵本っぽく可愛らしく身近なことに引き寄せて描いたところが素晴らしい。特にむこう岸での人たちの楽しくなる描き方と、空想の中で橋ができ、人たちが交流している場面がとてもステキだ。柿田友広