貸出禁止の本をすくえ！

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舞台はアメリカ。小学４年生の女の子エイミー・アンは大の本好きです。１番のお気に入りは主人公が家出する「クローディアの秘密」。なぜなら共働きで忙しい両親に頼られて二人の妹の面倒をみたり、言いたいことを飲み込んでがまんしたり、家では気が休まらず、放課後、図書室で一人の時間を楽しむ毎日だから。

ところがある日、いつものように図書室で「クローディア…」を借りようとすると、なんと教育委員会が「小学生が読むのに不適切」と判断した10冊あまりのリストに入って、貸出禁止に！

１人の保護者が、我が子の読んでいた本に疑問を持ったことがきっかけでした。エイミーは禁止された本を全部読もうと考えます。その後友だちに「貸して」と言われたことをきっかけに、ロッカーの私設図書館を始めます。

一方、熱心な保護者は次々と図書室の本を貸出禁止にしていきます。そのたび私設図書館の品ぞろえも増えますが、やがて校長先生に見つかってひと騒動。さあ、どうする！！

エイミーは友だちとある対抗策を思いつき、教育委員会の会合で貸出禁止の撤廃を訴える立派な演説をします。どんな対抗策かは読んでのお楽しみ。

でも、演説の場面は、手に汗握る法廷劇のようだし、言いたいことを言えなかったエイミーの成長ぶりもうれしいし、読後は満足すること請け合いです。

ちなみに出てくる本はどれも実在で、禁止措置になるのはどれも実際にアメリカで異議申し立てなどがあった本だそうです。本と図書館を愛するすべての読者におすすめ。本好きなら４年生くらいから読めます。

（コプタ通信2020年3月号より　つきちゃんこと築山真希子）