となりのアブダラくん

商品の説明

小学６年生の男の子ハルは空手の有段者。クラスでの立ち位置も真ん中より上ですが、編み物が大好きで将来の夢がニットクリエイターなのは誰にもいえません。

そんな彼のクラスにパキスタン人の転校生が！アブドゥルラッザーク･･という聞きなれない名前の彼は、自己紹介で自分を指さして「アブラ・カタブラタブラ・・・」「アブダラくん」と言ってのけ、クラスの笑いをとります。

ハルはひょんなことから彼のお世話係になりますが、彼をめぐってクラスの女子が対立したり、イスラム教徒で集団行動ができないことが多いために保護者から苦情が出たりと、周囲は荒れ模様。

ハル自身も様々なモヤモヤを抱え、一度はアブダラくんを突き放してしまいます。悩んだ末、ハルはアブダラくんの日本語指導の先生の助けを借りてもう一度彼に寄り添う決心をします。

先生から「知らないから、こわい」ということを学んだハルは、彼をもっとよく知ってもらうために様々な作戦を展開。作戦は大反響で、二人は全校集会でスピーチをすることに。このクライマックスの爽快感、最高です！！

登場人物の会話や動きが自然だからでしょうか、テーマがはっきりしていてメッセージ性も強いのに嫌味がなく、読後は元気が出ます。（私は自分の価値観が揺らがないハルの妹がかっこよくてお気に入り♪）大人にも子どもにも読んでもらって、一緒に元気な世界を作っていきたいものです。

（コプタ通信2020年10月号より　つきちゃんこと築山真希子）