商品の説明

おじさんは黒くて細くてピカピカの立派な傘を持っていました。出かける時はいつも持ち歩きますが、雨が降っても傘をさすことはなく、少しの雨なら濡れたまま歩くのです。もう少し強い雨が降ると、傘が濡れないように雨宿りをして過ごすのです。雨が止まない時は、「ちょっと失礼」と言って知らない人の傘に入れてもらうこともありました。

ある日、おじさんは木の下のベンチで雨宿りをしていると、男の子が走ってきます。男の子はおじさんに傘に入れてほしいとお願いをしますが、聞こえないふりをします。やがて男の子は通りかかったお友達の傘に入れてもらい帰るのですが、２人は、傘に雨が落ちた時の音を歌にして口ずさみます。その愉快で楽しい声が頭から離れないおじさんは、ついに立ち上がって傘を広げます。

思い切って傘をさすことで知った新しい世界。思い切らなければ見えなかったこと。小さなきっかけから変わること。大切なものは大切がゆえに使わなかったりしますが、あまり大切に抱えすぎないで、思い切った方が面白い世界が広がっているかもしれません！

（スタッフちさ／「絵本のじかんVol.2雨」より）