瀬田貞二氏に出会う旅へ

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こんにちは、スタッフの羊子です。
春の陽射しが暖かくなってきましたね。裏山の梅の花が満開になっているのを見て、心が躍るこの頃です。

さて1月は、瀬田貞二生誕100年を記念して、瀬田貞二関連の新刊や限定復刊のラッシュでした。

それに合わせてお店でも、瀬田貞二展と、関連書籍の紹介を行っています。

ホームページの方でも改めてしっかりと紹介させていただきましたので、ぜひご覧下さい。
瀬田貞二コーナーを見る

こうして並べてみると、驚くほど名作揃いなんですよね。
「あー!これ私が小さい頃よく読んだね!」
と嬉しそうに本を手にとってくれる方が沢山いらっしゃいます。

新刊の中の1つ、「子どもの本のよあけ―瀬田貞二伝」を読みましたので、今回はその感想を少し書かせていただこうかと思います。

著者の荒木田隆子さんは担当編集者として瀬田貞二氏と深く関わり、後年、「落穂ひろい 日本の子どもの文化をめぐる人びと」「絵本論 瀬田貞二 子どもの本評論集」「児童文学論 子どもの本評論集」を編んだ方です。

内容は2013年に「瀬田貞二氏の仕事」と題して行った、5回の連続講座の内容をまとめたものですが、図版や年表等のわかりやすい資料も取り入れつつの5章で構成されています。

第1章 『児童百科事典』の時代
第2章 『絵本論』―「がらがらどん」と「おだんごぱん」と
第3章 『落穂ひろい』の日々
第4章 『児童文学論』―子どもへの憧れ
第5章 瀬田先生の「旅」


私もそうですが、これら評論集を読破できていない方は、果たして先にこの本を読むべきなのか、少し迷う部分があるのではないでしょうか。

しかしその心配はいりません。

評論集(絵本論、児童文学論、落穂ひろい)が読みやすくなるようにと、読むうえでのポイントを非常に分かりやすく解説してくれています。

帯の松岡享子さんの言葉にある通り「瀬田貞二の名が、子どもの本の世界の人だけでなく、もっと多くの人にとって親しいものになりますように!」という強い願いが込められた本なのですね。

瀬田貞二氏のお人柄がわかるエピソードも数多く語られ、まるで実際にお会いしたかのような錯覚に。読み終わった後は、「瀬田さん」と親しみを込めてお呼びしたくなるほどです。

もちろん、すでに評論集を何度も読み込んだ人にもおすすめの1冊です。

おなじみの「がらがらどん」や、「おだんごぱん」、こういった名作を、瀬田さんがどういう考えで、どういうやり方で翻訳しようとしたのか、きちんと分析して、整理してくれている部分は、具体的で非常に分かりやすい。

おかしな言い方かもしれませんが、何故良いのかちゃんとわかる!改めて瀬田さんの凄さを実感できます。


また本では、無責任な印象批評やひ弱な抽象論では、絵本を作る上でも、見る上でも役に立たない、と瀬田さんが絵本論等で徹底して行った「分析的な批評を通した技術論」についても触れています。

今でも私たちは、瀬田さんの指し示す方向を頼りにしているんですよね。

日本でも素晴らしい絵本を実現させなければ!と、大きな仕事に次々取り組んだ瀬田さんの人生に、奮い立つ思いがします。


後半、瀬田さんの亡くなる間際の出来事がいくつか出てくるのですが、お恥ずかしい話、涙が止まりませんでした。


さあ皆さんも、時を遡って瀬田貞二氏に出会う旅へ行きませんか?

新刊・・・ちっちゃなちっちゃなものがたり、さてさてきょうのおはなしは、いたずらおばけ、子どもの本のよあけ

限定復刊・・・おなかのかわ、ながいかみのラプンツェル

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