2010年2月に書かれたブログ

百町森31周年に寄せて

3月1日で百町森は31周年です。昔(26年以上前の話だと思います。)の百町森を思い出す様なことがありましたので、その話しをここでさせて下さい。
左の写真は汽車のえほんの2巻オードリー作 ダルビー絵「機関車トーマス」本体価格1000円です。
5歳位から読んであげられます。

 昨日お店に来てくれたお父さんで、「懐かしい!」を連発している方がいらしたので声をかけてみました。その方は子どもの頃よくお母さんとお店に来てくれたかたでした。(百町森はその頃と同じような本が今も置いてありますからね。)そして、その方が言うのに、クリスマスパーティーか何かの時、私はそのお母さんに頼まれてお宅に行き、サンタクロースの格好を(服はそのお母さんが作ったものだったと記憶してます。)して、そこに集まった子どもたちにトーマスの絵本を配ってくれたというのです。おまけに、私はギターを弾きながらクリスマスソングなんかを歌ったと。(キャーッ、恥ずかしい!)それをずーとその方は忘れなかった、今もその絵本は大事にしているとのことでした。(トーマスがブレイクする前で原作の絵本だと思います。)
 私もそのことはよく覚えていて(歌をうたったことは忘れていましたが)、あのお母さんいいお母さんだったという記憶がよみがえり、「お母さんお元気?」と訊いたら、40歳でなくなったということでした。彼が大学生の時だということです。

 私はお母さんの顔も彼が子どもの時の顔も思い出し、涙が出そうになりました。子どもを本当に愛していたお母さんでした。この方もさぞや辛かったでしょう。
 大人になって、また来てくれたことに、私は本当に感謝します。

 ちなみに、私はサンタクロースの格好をしたこの時のことは、どちらかといえば、苦い思い出として残っていました。子どもたちが抱いていたサンタのイメージを壊してしまったのではないかと。それがいい思い出としてこのお父さんが持っていてくれたことに、私はホッと安堵した次第です。
 
 また、開店当初、本を買ってくださるとなれば、どんなことでもした自分というのも思いだして可笑しいです。あの頃の自分をねぎらってやりたいです。
 31年いろいろなことをしてきたものです。

落葉樹が葉を落とす冬、でも木の細部をよく見ると春を待つ準備をしているのがわかります。それがふゆめ(冬芽=専門用語ではとうがと読むらしい)です。
冨成忠夫、茂木透写真 長新太文 『ふゆめ がっしょうだん』本体価格900円
ワッ、ろば!ふくろう!王様の顔?…ふゆめは顔に見えるのはなぜでしょう。この絵本を読むと、自然界の中にこんなユーモラスなものがある事に驚きます。なんて不思議な!
そして、その写真にピッタリの文を付けてしまう長新太さんもすごい。「バッパッパッパッ」の繰り返しも楽しい。

『ふゆめ がっしょうだん』を読むと、ふゆめに会いに公園や雑木林なんかに散歩に出かけたくなりますね。早速刺激されて、わが家の庭で探してみました。するとコナラの木にこんな奴がいました。これって、なばたとしたかさんの絵本に出てくる小人みたいですね。大きさは5ミリくらいです。皆さん探す時は目を凝らして見てください。


  • ふゆめがっしょうだん/冨成忠夫・茂木透・長新太
  • 1,000円+税(10%税込1,100円)
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寒い中にも少しだけ春のきざしが感じられるようになった今日この頃ですね。そんな時に読むのにいい絵本を紹介します。
ルース・クラウス文 マーク・シーモント絵 木島始訳 『はなを くんくん』本体価格1100円
のねずみ、くま、かたつむり、りす…、冬眠していたいろんな動物がある匂いに誘われて目を覚ましはじめました。みんな鼻をくんくんさせています。その匂いの元は何だと思いますか?そのページにいくと、誰もが微笑んでしまいます。
無彩色、細密画に近い味のある白黒の絵。でも、匂いの源だけは黄色の色がついています。これが実に効果的!うまい!詩のようなリズミカルに流れる文も楽しい!アートの香り高い絵本です。
2歳くらいの小さな子から楽しめます。小学高学年や中・高生の場合長い話の前や後にいいですよ。
文は『シャーロットのしろいうま』のクラウス。絵は『木はいいなあ』のサイモント(シーモント)です。


  • はなをくんくん/ルースクラウス・マークシーモント・きじまはじめ
  • 1,100円+税(10%税込1,210円)
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もうじきバレンタインデイですから、とびっきりのチョコレートの絵本を紹介します。
B・K・ウィルソン作 小林いづみ訳 大社玲子絵『こねこのチョコレート』本体価格1100円
4歳の女の子ジェニーは明日3歳の誕生日を迎える弟のために8粒入りの子猫の形をしたチョコレートを買います。
ひと先ずタンスに隠しておいて寝るのですが、気になって気になって仕方がありません。とうとうジェニーは「ひとつくらい食べたってクリストファーは気にしないと思うな」 と口の中にほうり込みます。なんて甘くて美味しいこと!ジェニーはベッドに戻ってもそのことが頭からはなれなくて…。
これは子供というよりは人間の弱さの話ですね。誰にも思いあたることをいい話にしたものです。
次の日空の箱を弟に差し出すジェニー。でも、本物の猫のティブルが万事うまくやってくれました。大変な緊張感の後の、この結末の安堵感は本当に嬉しい。
もともとこれはお話しをする人たちの中ではよく語られていた人気の話、子どもたちも大変食いついてきます。5歳〜小学高
(本の手前にあるものは百町森で扱っているバレンタインデイのグッズです。左下のチョコレートのようなものは本物のチョコレートではなくパズルです。これらについてご興味ある方はお問い合わせ下さい。)



  • こねこのチョコレート
  • 1,100円+税(10%税込1,210円)
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