リバーランドセット

リバーランドセット

　

　

　

　

商品の説明

「リバーランドセット（River Landscape）」は、遊びと運動を通じて子どもたちのバランス能力と集中力を育むための、魅力的なバランス訓練用具です。

リバーを使って長いコースを作ると、小さな子どもが自発的にその上を歩き、バランスをとるようになります。それはまるで、縁石の列や森の中の丸太のようです。慣れていない子どもは、リバーの上を横向きに歩くこと（カニ歩き）を選択することがよくあります。つま先が前（進行方向）を向いていると、バランスの面で運動がより難しくなり、挑戦的になります。３歳未満の子どもは、狭いリバーのパーツの上でバランスを取るのが難しい場合があります。その場合、鉄道の線路のように２本の平行な道を配置すると効果的です。子どもに挑戦させたい場合は、特定の１色だけに触れるようにし、２本のリバーの接合部に立たないように指示します。年長の子どもにさらに挑戦させるには、立ってよい１色（例えば「赤」）を指定するか、子どもの足の裏全体が「リバー」からはみ出さないように指示します。

リバーのパーツは、様々な角度で柔軟に組み立てられるよう特別に設計されています。子どものバランス感覚をさらに鍛えるには、リバーのパーツを蛇のように曲がりくねって配置し、子どもは足の角度を変えて曲がりに沿って進む必要があります。 リバーで遊ぶことで、主にバランス感覚が向上します。リバーは特に前庭感覚を刺激するツールです。子どもが組み立てや片付けを手伝うことで、微細運動能力が強化されます。リバーのパーツをジグソーパズルのピースのように組み立て、そして片付ける（つまり積み重ねる）という工程において、お子様の手は連動し、手と目の協調性が磨かれます。

25個ものパーツを自由に組み合わせられる、刺激的なバランス遊びセットです。バランストレーニング、運動エクササイズ、グループ遊びなど、様々な遊び方で楽しめます。同梱の説明書には様々な組み合わせパターンも収録されています。

（本国サイトより）

遊び方と使用方法

リバーランドセットは、25個のパーツを組み合わせて、無限の遊び方や運動の課題を作り出すことができます。

• バランスコースの構築：様々な方法で要素を組み合わせ、バランスコースや景観を作り出すことが可能です。
• リバー要素の活用：セットに含まれる「リバー」の要素は、多様な色の通路として利用できます。
  • 難易度調整：2本の平行なラインとして構築すれば、小さな子供やバランスに自信がない子供でも歩きやすくなります。一方、曲がりくねった一本道にすると、より高いバランス能力が求められ、難易度が上がります。
  • 高さの追加：「リバーストーンズ」と組み合わせることで、高低差のある挑戦的なコースを作ることもできます。
• 集中力トレーニング：大人が特定の色の要素を踏むように指示することで、子供は自然な進行方向への動きを抑制し、視覚的な集中力を保つ訓練ができます。例えば、前方の色だけでなく、後方の色にもステップするように指示を出すことが可能です。
• グループ遊び：複数人でのグループ遊びにも適しており、協調性を育むことができます。
• 対象年齢と耐荷重：対象年齢は２歳から８歳で、最大耐荷重は100kgです。

使用から得られる具体的な効果

リバーランドセットを用いた活動は、子供の様々な発達に良い影響を与えます。

• バランス能力の向上：
  • 運動調整能力とバランス能力を養います。
  • 要素の高さが比較的低いため（リバー要素は4.5cm）、子供がバランスを崩しても転倒の心配が少なく、バランス訓練に自信を持って取り組むことができます。
• 視覚的集中力の強化：
  • 視覚的な刺激をフィルタリングし、集中力を維持する能力を養うのに理想的です。
  • 視覚情報過多の環境（例：教室）で、無関係な視覚刺激を無視し、目の前の活動に集中する能力を向上させます。
  • 集中してバランスを取る練習は、脳の新しい神経回路の形成を促し、情報のフィルタリングと集中力の自動化を助けます。
• 運動能力の発達：
  • 総合的な運動能力と身体協調性を促進します。
  • 「リバー」上で移動することはバランスを要求されるため、注意力も維持しやすくなります。
• 自己肯定感の向上：
  • 課題を達成し、成功体験を積むことで、自己肯定感を高めます。特に、バランスに不安がある子供が成功を重ねることで、自信と積極性が育まれます。
• 精神的安定と適応：
  • 感覚統合を促進し、視覚とバランス感覚が協調して働くことを助けます。これにより、身体を効果的かつ効率的に動かせるようになります。
  • 特定のバランス問題を持つ子供の精神的状態にも良い影響を与え、不安感や緊張を軽減し、前向きな姿勢を育むことができます。

これらの効果は、特に視覚的な刺激に敏感で集中しにくい子供や、バランスに不安を感じる子供にとって有益であるとされています。

本国サイトには活用事例も掲載

理学療法士の Hannah Harboe による指導事例が、本国サイトに掲載されています（GONGE Insights より）。 詳細な文書（英語）を読みたい方は、ゴンゲ社のサイトをご覧ください。

課題

モリー（６歳）は小学１年生で、学校での身体協調性や注意力の維持に困難を抱えていました。特に、クラスメイトの動きに簡単に気が散ってしまい、集中して課題を終えることができませんでした。 彼女の目はクラス内のあらゆる動きを捉えてしまうため、集中力が続かず、やるべきことを完了できない状態でした。 自宅では、静かな環境で一人でビーズ遊びやジグソーパズルに集中できるものの、これはテレビや音楽などの気が散る要素を両親が意識的に排除しているためでした。 診察時には、常に目が動き、理学療法士とのアイコンタクトを維持するのが難しく、部屋の中のあらゆるものに注意がそれてしまう様子が観察されました。

原因

脳は視覚情報処理に多くの能力を使い、特に子どもにとっては、無関係な視覚的刺激をフィルターにかけるのが難しいことがあります。多くの新しい視覚的印象を受け取ると、集中力を失いやすくなります。モリーの場合、この視覚情報のフィルタリングの困難さが、学校という視覚刺激の多い環境での集中力低下の主な原因でした。

リバーランドセットを用いた訓練方法

モリーの訓練では、リバーランドセットの一部である「リバー」のパーツが使用されました。

1. コースの構築：「リバー」のパーツは、明確な色の違いがある長い通路として構築できます。この色の違いが、視覚的刺激をフィルタリングし、集中力を維持する訓練に理想的です。
2. 指示による集中訓練：理学療法士はモリーに特定の色の要素（前方または後方）を踏むように指示しました。これにより、モリーは自然な前方への移動傾向を抑制し、バランスを取りながら視覚的な集中力を維持する必要がありました。
3. バランスと注意の要求：「リバー」上を移動すること自体がバランスを要求するため、自然と注意力を維持する助けになります。モリーは片足ずつ、時には長いステップや後ろ向きのステップで進む必要があり、これがバランスと集中力を高めました。
4. 難易度の調整：「リバー」は、２本の平行なラインとして構築すれば簡単に、一本の曲がりくねったラインにすれば難しく、さらに「リバーストーンズ」と組み合わせることで高低差を加えて難易度を上げることができます。これにより、子供の能力レベルに合わせて訓練を調整することが可能です。

成果

訓練の結果、モリーには以下のような顕著な改善が見られました。

• 集中力の向上：モリーは「リバー」の全長を高い集中力で渡り切ることができました。
• 自己修正能力と観察力の発展：指示がないのに次の色の要素へ進んでしまっても、すぐに自分で気づいて修正することができ、その際にはさらに褒められました。
• 自己肯定感の向上：集中力を維持し、正しい色を見つける能力について理学療法士や両親から賞賛を受け、達成感を経験しました。
• 環境への適応：集中力の維持に成功する体験を重ねることで、モリーは素早く改善しました。学校では、先生の近くに座席を変え、クラスメイトの動きが少ない環境にしたところ、集中しやすくなりました。
• 精神的安定：大人たちがモリーが集中したときや、注意が逸れたときに再び集中し直したときに褒めるように意識したことで、モリーは落ち着きを取り戻し、問題だった行動がポジティブなものへと変化しました。

この事例は、リバーランドセット、特にその「リバー」要素が、視覚的な刺激に敏感で集中力に課題を抱える子供の集中力と自己調整能力を、遊びと運動を通じて効果的に育むことができることを示しています。