ドイツの旅99(佐々木)
1999/02/09●さよならドイツ バンベルク〜フランクフルト〜成田(機内泊)
せっかく世界遺産の街に来ていながら、夜入って朝出るのでは淋しいと、6時半ごろホテルを出て柿田氏・相沢氏・川島さんと私の4人で散歩する(露木さんはおねむ)。でも、まだ暗くてほとんど夜。
塔が4つある大聖堂を見て、街中を歩いて、橋の上の旧市庁舎へ。ライトアップされているので真っ暗ではないが、暗い川の流れと、水門のようになっているのかドーッという水の落ちる音が寒さを感じさせる。街の中には、アンティークの店が多く、ポングラッツの置いてあるおもちゃ屋や人形の専門店、古本屋や楽器屋など入ってみたくなるような店が多いが、残念ながら今日の我々には時間がない。もし、機会があれば、ぜひもう一度訪れたい街だ。1日と言わず、2〜3日滞在して。
ホテルに戻ってすぐ朝食。ドイツでの最後の朝食は、やっぱり丸いパンにハムとチーズ。露木さんは、紅茶もコーヒーもまずいと少し不機嫌。朝食を終えて、荷物をまとめてタクシーで駅へ。いつもと同じ様な古いタイプの列車に乗り込む。空いていた個室を占拠する。次のヴァルツブルクでの乗り換え時間が7分しかなく、ホームも離れているので、いろいろと作戦を練る。結局、私と露木さんがとにかく乗り換えるホームに飛んでいって、なんとか待ってもらえるようにすることになる。わざとゆっくり荷物を積むとか、ドアに挟まれて時間を稼ぐとか(笑)。そんな話をしていたので、眠りたいが眠れず。
結局、乗り換えは余裕の大成功であった。全員揃って電車を待つ程の余裕があった。乗り換えた電車はIC(Inter City)と呼ばれる特急。「ICE(日本でいうところの新幹線)には乗れないけど、ICに乗れるからまぁいいか」と少し楽しみにしていたが、普通の電車だったので、ちょっとがっかり。
予約した個室には、すでに2人の客がいた。彼らに悪びれた感じもなく、いかにも我々の方が間違っているような態度だったので、再度チケットを確認するが、間違いなくここである。彼らに我々の予約チケットを見せると、一人は速やかに部屋から出てゆくが、もう一人はまだ動こうとしない。どうも、事情がよく飲み込めていないようだ。多分ドイツ人ではないのだろう。ちょうど、見回りに来た車掌に話をして、彼に説明してもらう。しかし、彼は出ていくそぶりは見せない。多分、荷物が多すぎて、移動するのが難儀なのだろう。結局、彼は空いている6番目の席に座った。しかし、彼の荷物は非常に多く、棚の3分の1近くを占拠した上に、足下のスペースにもトランクが置いてある。そのため、我々の荷物を置けるだけの余裕がなく、個室の外の通路に4つも5つもスーツケースを並べたままである。しかし、そういった我々の状況に彼は気付いてくれないようだ。すでに列車が発車してしばらく経つというのに、我々5人は、いまだに通路でスーツケースを支えながら、椅子に座ることすらできない。私はだんだん腹が立ってきて(この間のチケットの時といい、怒ってばかりいるな〜)、「あなたの割り当ては、全体の6分の1のスペースしかないのだから、荷物をもっとコンパクトにまとめて欲しい。我々は、予約をしてこの席に来ているのだ。あなたは予約をしていないにも関わらず、こんなに場所をとっている。我々は自分の荷物を片づけて早くリラックスしたいのだ」と言うと、彼なりに荷物を整理して、棚の荷物をまとめ、スーツケースを通路に出した。これで、やっと我々のスーツケースやワゴンなどが置けるようになってきたので、どんどん荷物を置いていく。こんなおじさんの隣はいやだろうと、彼の隣に座る。露木さんは彼の向かいに座る。これでようやく落ちついて、みんなで話などしながら過ごす。でも、露木さんは上着を脱がない。しばらくして、彼が席を外した時にやっと安堵した様子で上着を脱いだ。彼の正面に座ることも緊張を強いられることだったのだ。
「それにしても、俺が奴だったら、絶対別の部屋に移動するけど」「そうだよね〜、何かきまずいよね」「ましてや、言葉のわからない東洋人5人に囲まれたら、ちょっと落ちつかないよね」「よっぽど荷物が重いんじゃない?」
フランクフルト空港では、奈保美さんと偶然再会。搭乗前のチェックのところまでお付き合いいただく。ありがとうございました。DUTY FREEのお店で、いろんな方々へのおみやげを買う。チョコやUNDERBERG、ニュルンベルガーのかんづめなどなど。
帰りの飛行機もルフトハンザ航空にて。新しい機体らしく、椅子は座りやすく、デザインも落ちついていながら躍動感があり、非常に素晴らしい。この機内のデザインがフロッグ・デザイン(AppleのコンピュータMacintosh PlusからIIsiあたりまでの最もマックらしいデザインを担当)によるものであることを、私は帰国してからドイツで買ったデザイン誌を見て知った。
帰りの飛行機の席は中央のブロックに5人と、通路を隔てた1人(相沢氏がここ)。柿田氏は大分調子が悪いようなので、一番端に座ってもらう。13:30予定通りフランクフルト空港発。離陸後しばらくは、私と露木さん、川島さんは、それぞれ、日記やらおみやげノートやらこづかい帳やら色々と記録になるものをメモし始めた。相沢氏は、旅の記録の絵でも描くのかな?と思ってみていたが、どうも新しいおもちゃのアイデアを練っているようだ。