相沢の修理日記 13

13. 木製レールの列車を改造

今を遡ること1ヶ月前、お店にいらっしゃったお客さま(Aさん)から相談を受けました。
「子どもがペースメーカーを付けているので、磁石を使ったおもちゃで遊べないんです。だけど木製レールが凄く好きなので、なんとか遊ばせてやりたいんです・・・」
「もともとBRIOの木製レールの列車は、よーと+ひーとんで連結されていましたし、磁石は釘で固定されているだけなので、改造できると思います。」とお返事しました。
そんな話をしている間にも、お子さんは店頭のレール列車の見本に吸い寄せられて、列車を手にして遊ぼうとします。それを見てAさんが、「これは触らないでね」と、お子さんをなだめていました。(触って遊びたいんだろうな〜、なんとかしてやらねば・・・)
後日、店の見本で改造を試みたところ、見事成功!Aさんに、ご購入いただく商品を伺い、あらかじめこちらで改造することになりました。
磁石は釘で固定されているので、ペンチで抜きました。抜いた後の穴が意外に大きいので、よーと、ひーとんは軸太のタイプを入手しました。これで、あの子も思う存分遊べるでしょう。私も思わずニコニコしてしまって、ほんとにうれしい気持ちで一杯です。

(2006年7月 佐々木隆行)



カルテ

  • 商品名:汽車4両
  • 製造:ミッキー社(スウェーデン)
  • 状況:磁石なしで遊びたい
  • 依頼主:Aさん(静岡県)
  • 担当:佐々木隆行

  • 商品名:サファリセット
  • 製造:ブリオ社(スウェーデン)
  • 状況:磁石なしで遊びたい
  • 依頼主:Aさん(静岡県)
  • 担当:佐々木隆行

修理内容

1.磁石の代わりに使う、「真中よーと(中)16mm」(左:?型)と「真中ひーとん(中)No.2」(右:丸型)です。磁石を固定する釘の穴径が大きいので、軸の太いタイプを探しました(どちらも八幡ねじ製)。
2.ミッキー社の「汽車4両」の最初の状態。もちろん磁石で連結します。
3.磁石をペンチで外します。釘で固定されているので、回すのではなく、引き抜きます。握る力が強すぎると磁石が欠けたり割れたりします。
4.ペンチを車両に当てて、てこの様にすると、抜きやすくなります。ただ、あまり力を入れ過ぎると、木製の車両が凹んでしまいます。少しずつじわりじわりと抜いていきます。
5.見事に磁石が外れました。車両に開いた穴は意外に大きいです。
6.磁石を固定する釘は、抜けにくくするため、横に溝が切ってあります。危ないので、なくさないように注意して、最後に全数を確実に処理します。
7.車両の後ろに?型のよーとを、口の開いた側が上を向くように付け・・・
8.前に丸型のひーとんを、水平になるように取り付けます。最終的な向きの調整は、手が無理ならペンチを使います。
9.これで1両完成です。このひーとんとよーとの組合せおよび向きは、ブリオ社の初期モデルの仕様に準じました。
10.4両完成させました!
11.結構きれいに仕上がって、私も大満足です。
12.ブリオ社「サファリセット」の入っている車両の、貨車の方です。プラスチックのせいか、抜くのが難しく、片側は写真のように抜けましたが、もう一方がなかなか抜けません。
13.進退極まって分解という手段に出ましたが・・・
14.パーツが小さくなってしまったため、逆にやりにくくなったので、再度もとに戻しました。四苦八苦しながらもなんとか抜けました。
15.汽車の方は、台車部分が木製(上部はプラスチック)のため、貨車よりも楽に抜けました。
16.ブリオは2両で完成!
17.ミッキーとブリオの混成も可能です。

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