相沢の修理日記 12

12. ダイアモンド(3分割)

前回からの続きで「ダイアモンド」を修理します。今回はパーツが3つに分かれた例をご紹介しましょう。

(2006年6月 相沢康夫)



カルテ

  • 商品名:ダイアモンド(チーク)
  • 製造:ネフ社(スイス)
  • 状況:パーツが3つに分離
  • 依頼主:石川県金沢市R保育園
  • 担当:相沢康夫

修理内容

1.3つに分解してしまいました。さあたいへん。
2.接着面の接着剤の跡を見て、どの面とどの面がくっついていたかを確認します。(元あった位置にくっつけるのが最良です)断面に、「×」「×」とか、「△」「△」とかの印をつけます。
3.今回も治具を使います。今回は、「ヤゲン台」というMの字の金具です。谷間の部分は正確な90°になっています。
4.まず、「く」の字のパーツをテーブル面に伏せて置きます。左右からヤゲン台ではさみこむようにしながら、その位置がずれないようにクランプで固定します。
5.パーツを取り去ると、ヤゲン台だけが残ります。
6.「く」の字以外の2本のパーツを、まず「く」の字にします。2本が出会う面に木工用ボンドを塗ります。2で付けた印(×△など)が同じになるように注意。
7.2本のパーツを、ヤゲン台の谷間を支点にし、上端が弧を描くようにして接着面を合わせます。
8.接着面にずれがないか指で触って確認します。5分間仮接着します。
9.前回も使った治具(ダイアモンドの小さい方から2番目のパーツ)を上の角に当て、クランプで締めます。3時間以上。
10.「く」の字が2つになり、前回の修理の最初の状態になりました。
11.ここから先は前回の修理を見ていただいても良いのですが、今回は治具とクランプを使わない方法でやってみます。木口面に接着剤を塗ります。
12.同じ印どうしをくっつけてゴムで締めます。輪ゴムを1本ずつ交互にかけていきます。接着面にずれがないか指で触って確認します。この状態で約3時間放置します。
13.完成です。

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