読み聞かせに向いている絵本 39          『サリーのこけももつみ』

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ブルーベリーと言えば、もう一冊忘れてならない絵本があります。
それがこれ
『サリーのこけももつみ』
ロバート・マックロスキー文・絵
石井桃子訳 本体1700円+税
この写真もブルーベリーの木の前で撮りました。

日本語の訳はこけももといしてますが、実はブルーベリーのことなんですね。35年前に岩波子どもの本のシリーズで出した時、訳者の石井桃子が、日本人に馴染みのないブルーベリーをこけももと置き変えたのです。昔お猿のジョージシリーズでスパゲッティーがうどんだったように。はたまた、カニグスバーグの『ベーグルパンチーム…』が『ロールパンチーム…』だったように。今ではブルーベリーよりこけももの方が馴染みがないくらいですが…。とはいえ、私、このタイトルは変えて欲しくないですが…。

〈あらすじ〉
ジャムにするため、小さな女の子サリーは、お母さんと山にブルーベリーを摘みに行きます。でもサリーは摘んでは食べ、摘んでは食べするので、なかなかバケツにブルーベリーがたまりません。そして、お母さんを必死に追いかけ山登りをして行く様が大変愛らしい! 
さて、山の反対側では、長い冬のため、お腹いっぱいにしようと、クマの親子もブルーベリーを食べながら、同じように山を登っていたのです。そして、仔グマも誰かさんと同じようにしばしばお母さんと離れてしまいます。
いつのまにかサリーはクマの母さんを、仔グマはサリーの母さんを追いかけていたのです。

本当にこのマックロスキーという人はストーリーを作る天才だとしか言いようがありません。のんびりと微笑ましくも、クライマックスではちゃんとハラハラ、ドキドキさせてくれます。
絵はしっかりと何もかもごまかす事なく描いています。
それでいてこの絵本、山のすがすがしい空気を運んで来るのが不思議です。

うまい!お見事!脱帽!

5歳〜 小学生にも

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