被災地に読み聞かせのボランティアに行く時に

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前々回紹介した
静岡県立こども病院図書室
塚田 薫代様から
素晴らしいメールが送られて来ましたので紹介します。
(ちなみに私のところにこういうメールが来るのは、
「学校図書館を考える会・静岡」という会に入っているからです。
ご本人の了解を得ています。)


 公共図書館(県外)より、
 「震災時のお話会、選書について」
 質問がありました。
 どんな点に気をつけたらよいかということです。

 小児病院としての回答です。
 当院心理士と、チャイルドライフスペシャリストに同じ質問をしてみました。
 その答えを要約します。
 
 1 自分の力でコントロール出来ない大きな力が迫ってくるような
   ストーリーは避けたほうがいい
 2 あまり暗い話は、避けたほうがいい
 3 「がんばろう!」とか「希望をもとう!」というメッセージの本を選ぶのは、
   選ぶ大人の側に「自分が不安で何とかしたい」という気持ちがあるから。
   子どもに読む前に、自分の心をケアし整えてあげましょう。
 4 日常的な「読み聞かせ」が、子どもの心を落ち着かせるのでとても良い事。

 被災した子に本を読んだ経験はないのですが、
 病気の子に接する際と似ているようです。
 絶対に気をつけていることは、子どもとの約束を守ること。
 つい「また来るね」と言ってしまうのですが、
 そう言ったら、必ず一週間以内に再訪します。

 安全だけじゃなくて、安心を。
 (「安全。でも、安心できない…―信頼をめぐる心理学」(ちくま新書)
    

以上です。
特に3がいいですね。
私たちはついこういうふうになりがちですが、
被災地の方はもう充分がんばっていますものね。

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