成人式を終えたおもちゃ
使い捨てのおもちゃを与えない
ヨーロッパ伝統の「木のおもちゃ」は、ほとんどが壊れても、木工用ボンド一つで直すことができます。二十年以上形を変えずに作り続けられているものも多く、パーツも注文すれば補充がききます。子へ孫へと引き継がれて、いよいよおもちゃとしての輝きを増していきます。
確かに使い捨てのものより値が張るかもしれませんが、ファミコンを買うことを思えば安いし、三代使えることを思えばなおさらです。
木を素材としたおもちゃは、たとえ壊れても、捨てて地球の環境を害することもない。資源を再生できる範囲で計画的に作られています。
プラスチックや動力のあるおもちゃに比べ、地味でとっつきにくいが、飽きずに遊ぶデザインの力とでもいうような存在感を備えていて、大人のちょっとした配慮で子どもの遊びを深めたり、発展させてあげることができます。
(文:柿田友広、絵:相沢康夫)