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百町森について記事
朝日新聞(静岡版) 2005年2月8日

「スロー玩具」でたっぷり遊ぼう

絵本と世界中からのおもちゃが床から天井まで所狭しと並べられているおもちゃ屋さん「百町森」が静岡市鷹匠1丁目にある。約5千のおもちゃの種類は、小売店としては日本一という。子どもと親が遊べる部屋があるほか、子育てに悩むお母さんたちから相談も寄せられ、お母さんたちから頼りにされている。

(山口恵理子)

店名はイギリスの童話「くまのプーさん」がすんでいた大きな森の名前だ。開業前、社長の柿田友広さん(52)が家庭教師で出会った小学6年の男の子が一番好きだった本が「くまのプーさん」だったことから取った。読書家でたくさん本を読んでいた男の子がなぜプーさんを選んだのか今も考え続けている。

店頭に並ぶのは主に本とおもちゃ。何十年も子どもたちに読み継がれてきた絵本のほか、育児書、料理本など子育てに必要な本が約1万冊ある。

おもちゃはドイツやスウェーデン、スイスなど欧州からの物がほとんど。形の変わった積み木や兵隊さん、サバンナにいそうな動物たち、ごっこ遊びができる野菜や魚、ケーキ、ピザ(いずれも木製)、子どもが誤って口にしても大丈夫なクレヨン、楽器店にはない世界の楽器もある。コレクションする大人も多い。200平方メートルの店内に約5千種、約2万点あるという。

「電気で動いたり、キャラクターが付いていたり、暴力的なおもちゃ以外はほとんどあります」と柿田さんは言う。これらは「スロー玩具」「アナログなおもちゃ」と呼ばれているという。

学生時代、絵本に魅了された。米ニューヨークに絵本専門店があることを知り「同じような絵本専門店を開こう」と決めた。

地元の静岡市に戻り、79年3月、父が経営していた印刷所の事務所を借りて絵本専門店を開いた。店はわずか10平方メートル。最初の蔵書は100冊に満たなかった。商売経験はなく、本の流通事情を知らず、出版社まで絵本を買いに行ったこともあった。後で客から、問屋があることや包装の仕方、帳簿付けを教えてもらった。

スイスの積み木を手にする機会があった。「絵本と同じくらい深いものがある」。そう感じ、開業10年目でおもちゃも置くようになった。

自身にも長女、長男がおり、子育てをした。休日、子どもたちと出掛けると、遊園地などではにぎやかな音楽がかかっていた。親子で落ち着ける遊び場がなかったことに気づき、10年前、店内に親子の遊び場「プレイオン」をつくった。店で聞こえてくるのは、客の話す声、おもちゃのカタコトする音だけだ。

市内の三宅美香さん(32)は月に1回、2歳の長男を連れて来店する。積み木や機関車、動物人形と遊んで換える。「ここのおもちゃだと遊びが長続きします。キャラクターはすぐに飽きるみたい」と話す。

柿田さんは97年、自身の子育て経験から考えたことを書いた「プーおじさんの子育て入門」(エイデル研究所)を出した。

お母さんたちから「どんなおもちゃを与えたらいいか」という質問がある。質問に答えるうちに「うちの子は・・・」と子育て相談になるという。

「孤独なお母さんが多い。自分だけが子どもに手を上げるのではない、ということが分かれば、エスカレートすることはない」と柿田さんはきっぱり言う。「手を上げそうになった時、本を1冊読む、おもちゃで遊ぶ。それだけで助けられます」

店には、海外のおもちゃに紛れて日本のカルタやコマもある。カルタは年中、売れ続けているという。「家族でカルタやカードゲーム、すごろくをして会話をすることはコミュニケーション力や社会ルールを学ぶためにとても大切なんです」

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