ロマン・カチャーノフ短編集

ミトン＋こねこのミーシャ

寒い冬の日、女の子は窓から雪のつもった広場を見ています。犬を連れた子どもが何組も通っていきます。犬が欲しくてたまらない女の子は、友達の家で生まれた子犬をもらってきますが、お母さんに反対されてしまいます。

しょんぼりと表に出かけた女の子。

すると、赤い手袋が真っ赤な子犬になったのです・・・！

女の子が窓から外を眺める冒頭のシーンから目は釘付けになってしまい、物語の中に入り込んでしまいます。そして、ミトン（手袋の子犬）を家に連れて帰った女の子、部屋の隅でミルクを飲ませながら、優しくなでるシーン。お母さんにも私達にも子犬ではなく手袋にしか見えないのですが、女の子の手は、子犬の頭から背中にかけてのラインを確かになぞっているのです！

のちに「チェブラーシカ」を生み出したロシアのアニメーション作家カチャーノフの最高傑作です。これはもう文化遺産と言ってもいい。

（佐々木隆行）

収録作品

1. ミトン（1967年／10分）
2. こねこのミーシャ（1963年／10分／初DVD化）
3. 迷子のブヌーチカ（1966年／20分／初DVD化）
4. レター（1970年／９分）
5. ママ（1972年／９分）
6. 特典映像：ノビチェク〜働き者のトラクター〜（1961年／15分）