シロフォン付き玉の塔

ま、見ての通りのおもちゃです。でも「フーン、なるほどね」なァんて簡単に納得しないでください。このおもちゃの真価は、これで遊ぶ子どもの目の輝きと、遊びへの集中度、そして継続時間を目の当たりにしないと、なかなかわかってもらえないんだから、ホント。

今年89歳になるベック氏の作品の大半は、物を落とすおもちゃです。この、物が落ちるというなんのへんてつもない自然現象を、子どもが喜ぶってことの発見がすごい。私は同じデザイナーの一人として脱帽するしかありません。

シロフォンの奏でる音色の美しさに、それをもう一度聞きたいと思った時、子どもは自ら手を伸ばし、玉をつまみ、穴に入れる、ここに主体性があるわけです。

平凡な作り手がこの類のおもちゃを作ると、下に落ちた物を電池で上へ持ち上げちゃったりするんですよね。動力はえてして主体性を奪うことが多いのです。発売から45年、全世界ですでに20万台以上も売れているロングセラーです。

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原名:
Kugelbahn
作者:
クリストフ・ベック(Christof Beck)
製作:
ベック社(ドイツ)
製作年:
1958年
素材:
木(ブナ)、鉄
対象年齢:
1歳位から
取扱い:
(株)アトリエ ニキティキ/(株)ジョルダン