トイメーカーを訪ねる旅2004 その2

オストハイマー社・ケラー社

オストハイマー社

色付き始めた木々(ドイツでは赤い紅葉は少なく黄色い葉が中心、ゴールデンオクトーバーと呼ぶそうです)、庭先に実ったりんごを収穫する人々、のんびりと静かな10月のドイツを車窓から眺め、デュルナウにある木彫り人形のオストハイマー社、「4人のりバス」「木馬ペーター」のケラー社に到着しました。

こちらではオストハイマー社の社長シューレさん、2年前よりオストハイマー社の傘下に入っているケラー社(本当はキンダークラム社と言うのですが、ここでは以前から親しんでいるケラー社と呼びます)の社長コーンさんが迎えて下さいました。ケラーの新作がたくさん展示してある倉庫で、高齢ながらとてもお元気なコーンさんが物静かにケラーの歴史と哲学を話してくださいました。

左よりシューレさん、通訳の横山さん、コーンさん

その哲学とは、
・丈夫であること(子どもが安心して遊べる安定感、時には壊れるが親子で直して又使える)
・ 大切な部分だけ残して大切でない部分は剥ぎ取ることで生まれるデザイン
・ 動くおもちゃは機能的であること
・ 価格に見合う価値

これらの哲学はオストハイマー社の傘下に入った今も、しっかりと受け継がれていました。

ケラーの車たち

ケラーの人に顔が!

さて次に「ニキティキとコーンさんとのよいパートナー関係を引き継げて幸せ」と語るオストハイマー社のシューレさんの案内で、あの素敵な木彫り人形を作っているところを見せていただきました。従業員数は約200人のうち約50人が正規、残りは自宅作業員(ハイムアルバイト)勤務時間は午前7時〜午後4時、朝がとても早いのでびっくりしました。私たちが訪問した時はもうすぐ4時。この日は私たちのために一部の方は特別に残業して下さっていたようです。シューレさんは「私は7時から7時まで働きます。」とおっしゃっていました。どこでも社長は大変なようです。

まず、見せて頂いたのはとても広い木材倉庫。

材料となる木材

ドイツ国内産で樹齢50年〜120年のカエデやニレを切り出し、丸太から板にして6週間かけて乾燥させてあるとの事。次は、下絵を描いて糸鋸で切り取り作業をしている部屋。1年に120万個が作られるそうでこの作業の修行には半年〜1年がかかるそうです。次は面取り(やすりがけ)の部屋

面取り作業

工場内にはたくさんの緑がある

さらにバフがけの部屋、絵付けの部屋と見せていただきました。

奥が切取り直後、手前はバフがけ後(後は絵付け)

ここで絵付けしている方たちはスペシャリストで総てのアイテムの絵付けができるそうです。

絵付け

その後くるみのオイルに浸けて乾かして完成です。一つづつ手作業ですから一つ出来上がるまでに7人以上の人の手を通って出来上がるわけです。すっかり愛着がわいてしまった私です。

熱狂的なファンをもつオストハイマー社ですが、この会社の基礎を作ったのはマルガレータ・オストハイマー夫人。今は引退されて残念ながら今回はお目にかかれませんでした。しかしマルガレータさんの哲学はきちんと継承されていることが、社内の様子からしっかりと伝わってきました。マルガレータさんのサイン入り、会社創立60周年記念の本と私たちのために徹夜で作ってくださったというケラーの8人乗りバス(非売品)を頂いてオストハイマーを後にしました。

オストハイマー社創立60周年記念の本

特製8人乗りバス

(山崎直子)
訪問日/2004年10月4日
所在地/ドイツ・デュルナウ

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