一日の終わりに文学的体験をさせたい

感想を聞いたり、あらすじを言わせない

食事の後や、寝る前にいよいよ本を読んでやろうということになったら、重々しく親の本棚から一冊取り出します。この時、バランスをとるために、子どもにも選択権を与え、子どもの本棚から一冊選ばせます。つまり、親の選んだ本と子どもの選んだ本と、計二冊は読んでやるのです。読んでやったあとは、軽々しく「どうだった」などと感想を聞いたりしないようにしたい。親の選んだ本はおもしろいにきまっているし、子どもの顔を見れば楽しかったかどうかわかります。しばし感動の余韻を味わうことです。

釈然としない様子であれば、親の選んだ本が押しつけ過ぎだったのかもしれません。子どもの選ぶ本に意外な発見があることもしばしばです。

詩、なぞなぞ、めちゃくちゃ話、こもりうたなども、親の選択のレパートリーには欠かせません。

(文:柿田友広、絵:相沢康夫)

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