子どものあやし方23

夕焼け小焼け

夕焼け小焼け

先月、中ごろ。夕暮れどき、2階の部屋で仕事をしていたら、カーテンの向こうの、隣の瓦屋根が、ぱあーっと、真っ赤に燃えている。うわッ! 火事?!

あわててテラスに飛び出したわたしは、もっとびっくりした。
「・・・!
  “夕焼けだぁ。”」

東側のアパートのコンクリートの壁も照らされて、燃えるような力を放っている。

西の空は・・・今までに見たこともないほどの、真紅の光。

あたり、一面、屋根も、雲も、空気の粒子も、(おそらく、わたしも、)全く自然の「茜色」に染まっている。
「茜色だぁ。」

その茜色の、天然の色に、わたしはそれまでの自分の小さな考えを失ってしまった。

茜色の空のその日、翌日の天気予報は、「大雨」だった。

けれど、次の日、空は、からっと晴れた。

露木大子(伝承/阿部ヤエ)コプタ通信1999年11月号より

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