子どものあやし方28

綿雪

綿雪

3月。春。といっても、雪の降るのは意外と3月、4月が多い。

幼い日に、雪の降る日、空を見上げると、うわーっと、茶色く見える雪が、見上げた空を中心に放射線状に舞い落ちてくるように見えて、おもしろかった。雪が虫みたいに見えるのは上を見たときだけだ。まっすぐ前を見ると、おだやかな綿雪。下を見れば、積もった雪だ。

また、雨の日は雨の日で、地面に雨が吸い込まれていくように見えて、それと一緒に自分まで地面に吸い込まれていくような気がするのがおもしろかった。その感覚が不思議で、何度も試して『雨を見る』遊びをしてたっけ。(二十代の終わりに、仕事を休んでペルーに行ったとき、雨宿りしながら見た雨も、そんな雨だった。)

さて、先日、テレビの天気予報で、「残念ですが、明日は雪になりそうです。」といっていた。・・・”残念”ですって。

・・・みんな、すっかり大人になっちゃったんだね。

露木大子(伝承/阿部ヤエ)コプタ通信2000年04月号より

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