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ファンタジア |
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デザイナー、芸術家、詩人、発明家、美術教育家・・・天衣無縫な創造活動を通し、驚きと気づきにあふれたモノたちを生み出しつづけたイタリアの異才、ブルーノ・ムナーリ。 原書は1977年に出版されたので、30年前の本ですが、今読んでも十分に面白く刺激的です。この本を読むと、つくづくムナーリという人は、科学の人であり、論理の人なんだな〜と思う。もちろん、素晴らしいアーティストなのですが、そこにとどまらず、多くの人(とりわけ子どもたち)に作品を作るためのアプローチや方法を具体的に伝えようとしてきました。そのためには、感覚やイメージあるいはアプローチといったあいまいなもの(多くの場合は「言葉で説明できない」と片付けられてしまうこと)を、きちんと論理化することが必要で、彼はそれができる人なんです。 「芸術は難しいものではない、だれでも創造的になれるのだ。それには、ただ自由にすればよいのではなく、具体的な材料、方法、アプローチが必要だ。」というのが、ムナーリの一貫した考え方だと思います。彼がダネーゼ社で商品化した Edizioni per bambini シリーズのいくつものおもちゃが、まさにその考えの具体化と言えます。その中には、プロジェクタのマウントに鳥の羽や色セロハンを入れて遊ぶもの、木の幹が印刷された紙に、葉っぱのスタンプを押していくものなど、誰でも失敗を恐れることなく、試行錯誤しながら遊べて、結果的に美しいものに出会えたり、芸術的な体験が味わえたりするおもちゃがあります。 この「ファンタジア」には、もっともっとたくさんのアイデアやアプローチが紹介されています。豊富な図版とともに、ファンタジアの持つ様々な側面が具体的に紹介されているので、自分でもできそうな気持ちになり、色々なアイデアが湧いてくる感じがします。これこそが、ムナーリの得意とするところで、芸術へのしきいを低くすることで、だれでも創造力を発揮できるのだと、気づかせてくれるのです。 原著は「芸術としてのデザイン」の原著と同じ出版社Laterza社。こちらはデザインが主題ですが、「ファンタジア」は創造性が主題になっています。美術教育に関わる方にぜひ読んでほしい本です。 この本には、マグリットやマン・レイ、ダリ、オッペンハイムやマルセル・デュシャンの作品と同列で、子どもたちの絵や、大衆的な絵、日本庭園、折り紙などが混ぜこぜになって出てきます。同時に、ムナーリ自身の作品、例えば、ダネーゼ社が商品化したダイレクト・プロジェクションも出てきます。これらを見ながら、ムナーリの解説を読むだけでも、実に刺激的です。 (2006年7月 佐々木) |
ブルーノ・ムナーリ作
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