プラリネク あるクリスマスの物語


作者紹介
アクセル・ハッケ
(Axel Hacke)
1956年生まれ。ゲッティンゲンとミュンヒェンの大学で政治学を学ぶ。ドイツ・ジャーナリスト学校に通ったのち、81年、南ドイツ新聞社入社。記者として働きながら、コラムでも人気を博しました。2000年からフリー、ミュンヒェン在住。
『冷蔵庫との対話』、『ちいさなちいさな王様』などが日本で刊行されているほか、彼の作品は、タイ語や中国語、ヘブライ語を含む十数か国語に訳されています。

画家紹介
ミヒャエル・ゾーヴァ
(Michael Sowa)
1945年生まれ。ベルリンの造形芸術大学で芸術教育を専攻。半年間教育に携わったのち、画家、風刺漫画家、イラストレーターとして活動。ベルリン在住。
日本でも刊行の『ゾーヴァの箱舟』、『エスターハージー王子の冒険』、『クマの名前は日曜日』、『エーリカ あるいは生きることの隠れた意味』『ヌレエフの犬 あるいは憧れの力』などにイラストを描いています。

訳者紹介
三浦美紀子
(みうら みきこ)
1952年生まれ。立教大学大学院博士課程修了。日本大学・立教大学非常勤講師。
『新アルファ独和辞典』(三修社)執筆協力。ドイツ第二テレビ(ZDF)制作ドキュメンタリー番組「ヒトラー」「ヒトラーと6人の側近たち」、『エーリカ あるいは生きることの隠れた意味』『ヌレエフの犬 あるいは憧れの力』(ともに三修社)翻訳。「ヨーロッパ発ドイツ語のラジオニュース」(WEB版)編集、「基礎ドイツ語オンライン」(三修社)執筆メンバー。

  • プラリネク/アクセル・ハッケ
  • 1,200円+税(8%税込1,296円)
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054-251-8700

「ぼくは ココナッツフレーク 贈り物です」

少し大きくなった息子「君」にパパが語るお話。「むかしむかし、あるところに、アルトゥアという名前の男の子がいました」。そこでは、奇妙なことばをしゃべるロボットが、友だちにプレゼントをしようと仲間と奮闘する。贈り物の意味、父と子のちょっとした心のすれ違いと和解が、現代のクリスマスを背景に描かれる。読み聞かせ、朗読にも最適。ハッケのベストパートナー、ゾーヴァのイラストがキャラクターの愛らしさを際立たせている。昨年ドイツの女性誌に掲載されたものに加筆された、私たちの時代のクリスマス物語。

ストーリー

クリスマスイヴ、パパと息子の「君」は贈り物を運んでくるクリストキントを待っていた。待ちきれない「君」に、パパは物語を話して聞かせる。「むかしむかし、あるところに、アルトゥアという名前の男の子がいました」。

クリスマスまであと四日、ひとりで留守番をしていたアルトゥアは、プラリネ(チョコレート)の箱から奇妙な音がするのに気づく。その箱にロボットを見出したアルトゥアは、それと洗剤のパッケージとトイレットペーパーの芯とコルク栓とで小さなロボット、プラリネクを作り、お父さんへのクリスマスの贈り物とする。ほどなくお母さんからの電話でアルトゥアは出かけ、アルトゥアのほかのおもちゃとともに残されたプラリネクは、積み木ブロックの怪物ゴロングボング、ディノサウルスのディーノと一緒に、電池切れのおもちゃ「中国製頭」の窮状を救うため、ジュースを取りに台所の冷蔵庫へと向かう。三人の冒険の首尾はいかに......?(出版社プレスリリースより)

ミヒャエル・ゾーヴァの大規模な展覧会と、講演会が行われた2005年の締めくくりに、さらにうれしいプレゼントが届きました。文はアクセル・ハッケ。「ちいさなちいさな王様」からずっと続くベストコンビです。

クリスマスの夜、忙しい父親と9才(おそらく)の息子が、ベッドに並んで横たわっています。父親は息子にお話を聞かせようとしますが、息子は必要ないと答えます。それでも、なんとか息子にお話を聞いてもらえるように上手く持っていきます(この辺りのやりとりが実にリアル)。そして語られるのが「プラリネク」のお話です。

お話の中には、彼らと同じような父と息子が登場します。そして息子が空き箱で作ったロボット「プラリネク」が家の中を舞台に冒険をし、最後には贈り物となって父親にプレゼントされます。

同じ年頃の息子を持つ私にとって、本の中の父親と息子の微妙な関係が、自分に跳ね返ってくるようで、つい父親に感情移入してしまいました。お話が終わった後、ベッドの上で息子の質問に答える形で、彼は自分の気持ちをさりげなく伝えます。一番最後のセリフは、クリスマスを告げる鈴の音で、言えなくなってしまったけれど、きっとこのお話は息子にとっても素敵な贈り物となったに違いありません。

「君の名はプラリネク、小さなロボットだよ。これからプログラミングされなくてはならないけどね。おまけに、君は贈り物だ」
「贈り物って、何でしょうか?」
「贈り物とはね」と、どこからか聞こえてくる、低くて穏やかな声は言った。「君が誰かほかの人にあげられる、ということだ。贈り物は人を喜ばせるものなんだ。つまり、ある人が、もう一人、別の人のことをよく考えたってことだね。その人とちゃんと向き合ったってこと。その人がどんな望みを持っているのか、何がその人を喜ばせることができるのか、それが分かったんだ。だから、その人に贈り物をする。贈り物の中では、二人の人が出会う。よい贈り物なら二人の心が出会う。一人の人が、もう一人の人を喜ばせたと感じているわけだから」。

(2005年11月7日 佐々木 隆行)

商品詳細

年齢: 大人
著: アクセル・ハッケ
装画: ミヒャエル・ゾーヴァ
訳: 三浦美紀子
寸法: 18.5×14.7cm
内容: 54頁
製作: 三修社 (日本)
初版: 2005年11月15日
原著: Pralinek Eine Weihnachtsgeschichte

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