8月9日平和のための読書会「日本国憲法とジョン・レノンのイマジンを比べてみる」を終えて

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8月9日(土)18:30〜
「平和のための読書会」パート2を開きました。
今回は「日本国憲法とジョン・レノンのイマジンを比べてみる」という企画。
一般の主婦、お父さん、保育園の先生…など14人の方が来てくださいました。
在日コリアン2世の李恵順(リ・けいじゅん)さんには前回に続いてお手伝いしていただきました。

1408heiwa5.jpg1408heiwa8.JPG前半は私が児童文学者池田香代子が英文から訳した『やさしいことばで日本国憲法』や、井上ひさし作『子どもにつたえる日本国憲法』を朗読しました。
同じく井上ひさしが小学校でした授業をそのまま絵本にした『「けんぽう」のおはなし』(井上ひさし原案、武田美穂絵)を紹介し、井上の思い描いていた平和は武力なしでどういうふうに実現できると書いてあるかを紹介しました。


その他
『十代の君たちへ ―ぜひ読んでほしい憲法の本』 日野原重明
命を守るという医師の立場から日本国憲法の素晴らしさを書いている。
『あたらしい憲法のはなし』 文部省
「日本国憲法」が公布された翌年に、文部省が作った社会科の教科書。民主主義と国際平和主義が、この地球上で人類が生き残ることのできる唯一の道だと語る、当時の文部省の熱気が初々しく伝わってくる。
『中高生からの平和憲法Q&A』 高田健 舘正彦
http://www.hyakuchomori.co.jp/blog_kakita/2013/05/post-901.html
などを紹介したあと李さんにバトンタッチ。

李さんは日・中・韓共同出版の平和絵本シリーズ(こういうシリーズがあることは素晴らしいですね。)を2冊紹介してくださいました。
『へいわってどんなこと』 (小学生にわかりやすい内容です。)浜田桂子作と
『非武装地帯に春がくると』 イ・オクベ作です。
イ・オクベは前回取り上げた『ソリちゃんのチュソク』の作者でもあります。
李さんは韓国の絵本はおじいさん、おばあさんや女性、孫が登場するものが多いが、これは戦争で犠牲になる弱者だという意味もあると前置きされたあと、『非武装地帯に春がくると』を朗読し、解説もしてくださいました。

非武装地帯に春がくると・・・
野原に草花が芽吹き、海にはゴマフアザラシが泳いできて、軍人たちは鉄条網を直す。
非武装地帯に夏がくると・・・
イムジン河に鳥たちが飛んできて巣をつくり、カワウソは水あびをし、軍人たちはつらい訓練を受ける。
おじいさんは春も夏も秋も展望台にのぼって、鉄条網の向こうの北の空を眺める。・・・

この絵本は皮肉にも自然が残る楽園となった「非武装地帯」を美しく描くことで、人と人、国と国とが対立する無意味さを伝え、いつか鉄条網を開け放ち、離ればなれになった友と抱き合いたいという願いを表現している。
最後の観音開きのページは圧巻だ。なんと・・・!

すぐ近くの国にこんな現実があるということを李さんの朗読でより強く感じることができました。
1408heiwa16.JPG今なお衝突の危険がある北と南という現実を抱える朝鮮半島の人たち、その平和への思いはより強いと感じました。

李さんはこの絵本を読み、朝鮮半島の歴史を話され、日本が憲法9条を持った国であることを羨ましいとおっしゃっていました。

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おやつタイム、李さんが作って持ってきて下さったチジミと、山崎直子が作ったコーヒーゼリーを皆でいただきました。

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後半はジョン・レノンの「イマジン」を、ジョン・レノンバージョン、王様直訳バージョン、忌野清志郎バージョンを聴き比べました。

そして、(ここからは私の感想ですが)「日本国憲法」とジョン・レノン「イマジン」はやはり似ていました。
どちらも世界の人を信頼するという前提で書かれていて、
平和を求める気高い精神に貫かれています。
どちらも夢みたいなこと言っていると批判されます。
そして、
1408heiwa20.JPGどちらも権力者が嫌いです。(フォークランド紛争の時、英国の時の首相サッチャーは「イマジン」を放送禁止にし「歌ってはいけない。」といいました。)
なぜなら、どちらも権力者の横暴に対する監視役的な役割(メッセージ)があるからではないでしょうか。

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今回も参加者の感想が素晴らしいものばかりでした。以下参加者からの感想やメッセージです。

※市民の自立、個人の自立ということが大切だと思うが、組織の中では個人の思いをなかなか言えない。ジョン・レノンのイマジンはそうした個人の思いには共通性があると言っている気がする。個人の思いを言えるこういう場は大変貴重だと思う。

※私は保育士だが、戦争の絵本を子どもに読んだら「戦争ってどこからくるの?」とか「戦争がなくなるために何をすればいいの?」と訊かれた。特に前者の答えはまだ見つからないでいるが、後者については「戦争はいやだって思い続けることが大事だ。」と答えた。大人にも難しいこうした課題だが子どもの世代に平和な世の中を残さなければと切に思う。

※「平和のための読書会 PART2」に参加。主催したのは子どもの本とおもちゃの店「百町森」。ただ憲法の本を読み比べるのではなく、日本国憲法とジョン・レノンの「イマジン」を比べてみようという興味深い企画だ。
『やさしいことばで日本国憲法』(池田香代子訳)、『子どもにつたえる日本国憲法』(井上ひさし)、 『へいわってどんなこと』(浜田桂子)、『十代の君たちへ ─ぜひ読んでほしい憲法の本』(日野原重明)等々を読み比べ、ジョン・レノン、王様直訳バー ジョン、忌野清志郎バージョンの『イマジン』を聴き比べながら、様々な立場から、ざっくばらんに日本国憲法について語り合う。
在日の李さんが語った「日本国憲法がある日本という国がうらやましい」という言葉に打たれ、真のコミュニケーションは相互理解だと改めて思った。
現状を正しく知ろうとすること、声に出すこと、みんなで語り合うことはとても大切。百町森らしい、素晴らしい勉強会だったと思う。こうした会を続けていくのは、決して楽なことではないだろう。でも、続けてほしいと切に願う。

※昨日の原爆の日は、百町森の「平和のための読書会」に参加させて頂きました。
在日朝鮮人の李さんから貴重なお話しをお聞きし
柿田さんはオススメの「憲法」の本を読み比べてくださいました。
大切なのは、知ること。
すっかり理解し、同じ行動は取れなくても
お互いを知ろうとする気持ちのベクトルを持ち続けること。
お互いの気持ちに蓋をして
とりあえず同じ行動をすることとは
たぶん違うんだと思う…
皆さんのお話に、力を頂きました。
♪夢かもしれない~
でもその夢を見ているのは
一人だけじゃない。
世界中にいるのさ♪
Imagineの聴き比べも滲みました。

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そして、李さんからも

ジョン・レノン・王様・忌野清志郎の3人のイマジンの聴き比べの間に色んな事を感じる事が出来ました。
そして、コミュニケーションとは相互理解の言葉という参加者からの感想。
私の心に深く留まりました。

話し合う。伝え合う。思い馳せ、思い寄せ合う中で本当に守るべきものがハッキリと見えて来るのですね。
ありがとうございました。





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