2011年3月に書かれたブログ

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大地震、その後の大津波では子どもたちも大勢被害にあいました。
今、私のところには、被災した子どもたちに本を送ろう、読み聞かせボランティアに行こう…という人たちの話が届いています。
そうした行為に私は本当に頭が下がります。
でも、どういう場合も、本は一瞬ではありますが現実を忘れさせてくれ、ファンタジーの世界に連れて行ってくれます。そしていい本であれば、読み終えたとき、心が成長していたり、不安を安らぎに変えてくれたりする効果があります。
また、全く違う世界をかいま見て遠い世界に思いをはせたり、主人公になりきって一喜一憂しながらも最後は心を満たすことができます。
被災した子どもたちにも是非本の世界が届くことを祈っています。

さて、今回紹介する『くまのコールテンくん』(ドン=フリーマン作・絵、松岡恭子訳、本体1200円+税)は何でもない日常の中にあるちょっとしたドラマを描いていて、読んでもらった子は冷や冷やしながらも、クマのぬいぐるみと気持ちを一にして、最後は大いなる満足感を得ることができるでしょう。

コールテンくんはデパートのおもちゃ売り場で売られていたぬいぐるみのくまです。おもちゃ売り場では動物も人形もみなはやく誰かが自分を家に連れてってくれないかなあと待っています。
ある朝リサという女の子が、お母さんと買い物に来て自分がほしいと言われます。でも、お母さんはもうお金使っちゃったしボタンが一つ取れているからだめと言います。
その晩コールテンくんはボタンを探しに暗いデパートをうろうろ、警備員に見つかり元にもどされます、ボタンは取れたまま。
でも、明くる日、またリサがやってきてボタンがない自分を買って、とうとう念願の家に連れて行ってくれます。

リサはボタンをどうしてくれると思いますか?
そして「ずっと前からともだちが ほしいな」って 思っていたコールテンくんは そう、
ちゃんと友達を見つけたのです。

ストレートに入ってくるストーリーは幼い子どもの心をとらえること請け合いです。
そしてこのお話は、子どもにとってぬいぐるみや人形がどんな役割をするかを見事に描いています。
前々回紹介した
静岡県立こども病院図書室
塚田 薫代様から
素晴らしいメールが送られて来ましたので紹介します。
(ちなみに私のところにこういうメールが来るのは、
「学校図書館を考える会・静岡」という会に入っているからです。
ご本人の了解を得ています。)


 公共図書館(県外)より、
 「震災時のお話会、選書について」
 質問がありました。
 どんな点に気をつけたらよいかということです。

 小児病院としての回答です。
 当院心理士と、チャイルドライフスペシャリストに同じ質問をしてみました。
 その答えを要約します。
 
 1 自分の力でコントロール出来ない大きな力が迫ってくるような
   ストーリーは避けたほうがいい
 2 あまり暗い話は、避けたほうがいい
 3 「がんばろう!」とか「希望をもとう!」というメッセージの本を選ぶのは、
   選ぶ大人の側に「自分が不安で何とかしたい」という気持ちがあるから。
   子どもに読む前に、自分の心をケアし整えてあげましょう。
 4 日常的な「読み聞かせ」が、子どもの心を落ち着かせるのでとても良い事。

 被災した子に本を読んだ経験はないのですが、
 病気の子に接する際と似ているようです。
 絶対に気をつけていることは、子どもとの約束を守ること。
 つい「また来るね」と言ってしまうのですが、
 そう言ったら、必ず一週間以内に再訪します。

 安全だけじゃなくて、安心を。
 (「安全。でも、安心できない…―信頼をめぐる心理学」(ちくま新書)
    

以上です。
特に3がいいですね。
私たちはついこういうふうになりがちですが、
被災地の方はもう充分がんばっていますものね。

マスコミは原発の何を隠しているのか

ある方が中部電力に浜岡原発が総電力に占める割合を訊いたら、しばらく待たされた後、「2009年は14%、2010年は10%です。」と答えが返ってきたそうです。
ほとんどの人は50%とか、ひどい場合70%くらいと思って(思わされて)いるのではないでしょうか。
また、原発がクリーンエネルギーだとかエコだとか言うのも、一たび事故を起こしてしまった今のフクシマの事を考えれば、いかにばかばかしいか解りますね。
原発を造る場合には、同じ電力を発電出来る火力発電所も一緒に造らなければならないそうです。突然事故などがあった場合の保険みたいなものですね。これを考えてもエコとはほど遠いものだと思います。無駄そのものです。
私や相沢は、今後新築の家には太陽光発電を義務づけたらどうかなどと話しているのですが、こういう事がマスコミで話題にされない理由は、電力会社に何の利益にもならないからでしょう。
マスコミに登場する原発の解説者は推進派だそうです。
電力会社は民放の大きなスポンサーですものね。
NHKの解説者も本当はどうなのか知りませんが、結果的に原発推進派です。正直な人なら「やめるべきだ。」ってぽろっと言ってしまうでしょう。
みんな自分の利益にしがみついているって感じですけど、今そんな場合じゃないですよね。
私は静岡に住む人間、浜岡原発を止める行動を起こさなければ!
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 このたびのM9の東北地方太平洋沖地震とその直後の大津波では大勢の方が被災し、亡くなられた方、まだ行方の分からない方の多さに驚くばかりです。
  一瞬にして消えた町の映像、やっと生き延びた人たちが声を揃えて生活物資の不足を訴える姿には本当に胸が痛みます。
 また、その後起きた福島原発の事故で避難を余儀なくされた方々とともに、心よりお見舞い申し上げます。
 ただし、原発事故については天災ではすまされません。いつ「メルトダウン」が起こるのか。私も含め大勢の人が今不安と怒りを覚えています。
 巨大地震が来ると言われている静岡には浜岡原発があります。私はこの原発を止めて欲しいという裁判の原告の一人ですが、原発が安全だと言ってきた人は、福島の事故にどう責任をとるのでしょうか。
 「今年の新茶からはもう輸出が出来ない。」と静岡茶の海外普及を手がけてきた方は嘆いています。ヨーロッパやアメリカからすれば、日本は小さな島国、全ての農産物は汚染されたと思っているというのです。
 150万人が死亡したとされるチェルノブイリの原発事故が起きた1986年の翌年、一主婦の方が書いた『まだ、まにあうのなら』(本体300円+税)はベストセラーとなり、日本全国で原発をDVC00108.jpg止めようという運動が起こりました。今この本はもう一度読む価値があると言えます。(写真上左、百町森で販売しています。)
 また、静岡の主婦たち(「健やかな命のための生活講座」編集・発行 プラムフィールド協力)が作った『子どもたちの未来へ 放射能から身を守る…』という冊子(この冊子は絶版ですが、下記のホームページに全ページ見ることができます。)には放射能のこと、事故がおきてしまったらどうしたらいいか、ヨウ素剤とは、…など、こんな状況ですぐ役に立つ今知りたいことがイラスト入りで載っています。子どもや妊婦、これから子どもを生もうという若い女性は放射能に対し特に身を守る必要があります。

 プラムフィールドのホームページ「健やかな命のための生活講座」にも放射能について役立つ情報があります。  また、テレビなどで放映される今回の大津波での被災の情報を子どものメンタルな観点から見せるべきではないという話をされている方がいます。それは静岡県立静岡子ども病院医学図書室司書の塚田薫子さんですが、百町森のお客さんにとって非常に大切な情報だと思いますので、許可を得てリンクをさせてもらいました。(学校図書館を考える会・静岡のページから心のケアこども版に進んだところ)

〈特に原発事故やマスコミ報道で思うこと〉
本当に大事なことで、マスコミの報道では言えないことがある事を皆さん知っていますか?
原発推進派はすでに義勇談や美談を持ち込んで本質を隠し始めました。
今こそ原発に頼らない経済社会を模索しなければならないはずです。
豊かさとは何なのか、問い直す機会です。
義援金や支援物資を送ること、ボランティア支援…、みんな確かに大切ですが、政府・行政・原発推進派の政治家・それを支持する人…にプロテスト(抗議)することも忘れないで下さい。マスコミに呑み込まれないで下さい。
私も現代社会の便利さを享受している一人ですから、偉そうにばかりは言えません。でも友達や知り合いとこういう話題で会話をしたり、地味ですが心の中で戦いの炎を燃やし続けていくことが大切だと思います。

今回の大災害の犠牲になられた方、家族を亡くされた方々に心からお悔やみ申し上げます。
 
 




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プレジデントベイビーの最新号に私が「おもちゃの遊び方」というコーナーで「ウール・レンガ積み木」(写真下)やネフ社の積み木を4ページに渡って紹介している記事があります。
すごくしっかりした取材で、写真もきれいです。
780円税込





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保育園に読み聞かせ

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 今日は自宅近くの保育園にお話や絵本の読み聞かせをしに行って来ました。
 年長さんは今日で最後、お別れです。ちょっと寂しいですね。
 そこで山崎直子は旅立ちをテーマにした「こすずめのぼうけん」の話をしました。みんな真剣に聞いていますね。
 その後私は『もりのひなまつり』の絵本を読みました。
 そう言えば保育園の玄関には段飾りのおひな様が飾ってありました。

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