2009年7月に書かれたブログ

保育セミナー

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今年の保育セミナーは講師の一人として、東京子ども図書館の理事長であり、私の絵本との出会いの原点にあたるような『こぐまのくまくん』やいまだにベストセラーの絵本『しろいうさぎとくろいうさぎ』、イギリスの人気読み物『パディントン』シリーズやアメリカのロングセラー読み物『ゆかいなヘンリーくん』シリーズなど、沢山の絵本や児童文学の翻訳者(『なぞなぞのすきな女の子』など創作もあります。)として知られている松岡享子先生をお呼びしました。

松岡先生のお話しを私(柿田)は30年前、百町森がスタートしたばかりに、運良く静岡で家庭文庫をしている人たちが開いた講演会に誘ってもらって聞くことができました。その時先生はその頃の子どもたちのお話しを聞く時の様(本を読んでやっていると字を読みに来る子がいるなど)や、その頃の子育て事情(お母さんたちが「早く、早く、早く」と三回連呼して子どもを急かすことなど)や、お話し(ストリーテリング)の意味や、実際に「エパミナンダス」のお話しをしてくれたりしました。それらはすべて、まだ駆け出しの私に大変な衝撃でした。

それ以後ずっと私は松岡先生を慕ってきました。百町森30周年ということで、この方をぜひと思った次第です。

さて、今回の保育セミナーは「遊びが育てるもの」というメインテーマに即して、まず先生に私が子どもの「遊び」と「お話し」の関係についてインタビューをしました。先生の答えはかいつまんで言ってしまえば(失礼をお許しください)、よく遊ぶ子はお話しをよく聞くということでした。

また、私がドイツのある幼稚園を見学した時に、同じ物語を毎日毎日一ヶ月近くお話ししていたことに感動したので、それについて聞いたところ、「お話しは音楽のようなもので、何回聞いてもいいし、聞けば聞くほど内容が深まっていく...」というようなお話しをされました。

そして、助手として来てくれた森本真実先生(写真右)と交互に沢山お話しをしてくれました。参加者の皆さんが、それらのお話しにのめり込んでいって、ため息やらどよめきやら、会場全体が一体になって感動している様子が伝わってきました。

最後に、参加者からの質問に答えて頂きましたが、これがまたすごかった。誠心誠意な的を射た答えだったのですが、子どもたちを本の世界に誘い込む事に生涯を賭けてきた迫力と言うか、魂のようなものを感じました。

松岡享子という人の偉大さに心から敬意を表したいと思います。

茶髪のドールハウス人形

こちらがヘルビック社のドールハウス人形です。茶髪のものを集めてみました。

日食

7月22日(水)は日食が見えるというので、雲ってはいましたが、空を見ていたら雲間からなんと見えました!
百町森ではスタッフ全員とちょうど見えていたお客さんとみんなで見ました。
感激!

7人家族

これが現在持っているヘルビック社のドールハウス用の人形「7人家族」の在庫です。

小学校でお話会

今日7月14日(火)は先月に続いて同じ6年生に読み聞かせに行きました。落ち着いて聞いてくれることが分かっていたので、何を読むか本選びに気合いが入りました。
先ず私が絵本『よあけ』を読みました。その後、山崎は石井桃子訳の『ギリシャ神話』から「パンドラ」の部分を朗読しました。

「パンドラ」は大人が聞いてもいい話です。6年生ともなると、しかもこのクラスはお話しに慣れていますから、このくらいの長くて深い話も良く聞いてくれました。

保育園でお話会

7月13日(月)は自宅近くの保育園にお話会に行って来ました。先ず私が絵本『せんたくかあちゃん』を読みました。
次に山崎が「せかいでいちばんきれいなこえ」をお話しました(写真)。

そのあと絵本『ぽたぽたとぷん』を読み、そこでもう一度私が絵本『おばけのジョージー』読みました。

私が読んだ絵本2冊は、みんなよく聞いてくれましたが、落ちが難しかったかな?と思いました。

埼玉から大勢研修に見えました。

埼玉県入間市の茶々保育園さんやそのグループの先生方です。相沢の話を皆さん大変熱心に聞いて下さっています。

こぐまのくまくん

数ある松岡享子さんの翻訳された絵本の中でも『こぐまのくまくん』は私(柿田)が一番好きなものです。

これは福音館書店発行の〈はじめてよむ童話〉シリーズ全5巻の第1巻です。この1巻の中には4つのお話が入っているのですが、特に最初話「くまくんとけがわのマント」は本当にしびれます。

?外は雪が降っている。くまくんは寒いので、かあさんぐまに「なにかきるものがほしい」と頼む。するとかあさんぐまはぼうしを作ってくれる。そこでくまくんは外に遊びに行く。が、すぐに帰って来て、また「寒いから、なにかきるものがほしい」と言う。

こんなことを3回繰り返し、かあさんぐまはズボンやオーバーまで作ってあげるが、くまくんはまだ...。さすがに4回目になるとついに...。(結末は大変微笑ましいものです。)

このストーリー展開には子育てに関しての重大な真実が隠されている様に私は思います。

子どもを冬散歩に誘おうとすると、子どもは風の子だからと薄着で行かせようとしても、なかなか寒がって嫌がる。しかたなく厚着させる。でも、帰って来る頃には自分から薄着になっていたりする。単純にそんなことを言っているようでもあります。

また、あるいは、3回願いをきいてあげたということは、日頃沢山子どもの要望をきいているという意味で、そうすれば親のいう事もたまにはきいてくれるという意味にとれない事もありません。

児童精神科医の佐々木正美先生は子どもの要望をきいてあげることが親子の信頼関係を作ることになると言ってます。このストーリーはそんなことを言っているようにもとれます。

私はこの絵本に学生の頃出会い大変感動しました。「絵本っていいなぁ」って思って、それからいろんな絵本を読む様になった切っ掛けの一冊です。他にもその頃出会って感動した絵本と言えば、『はなをくんくん』『げんきなマドレーヌ』『ふたりはともだち』などです。これらの絵本は今でも私の心の中で宝石の様に光っています。

つまり、いい絵本というのは若者にも、親にも、もちろん子どもにも、そして年とっても(そろそろ私のことです)いいってことでもありますね。

ちなみに、このくまくんのシリーズでは、『だいじなとどけもの』も面白いです。

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