トップ子育て便利帖>相沢の仕事日記 その1

「なおやこどもクリニック」さんの巻

このあいだ、小児科の待合室のプランニングをさせてもらいました。東京江東区の「なおやこどもクリニック」さん。

私のオススメおもちゃを配置してみたり・・・絵本も100冊選ばせてもらいました。世にも珍しい「子どもが行きたくなる病院」「仮病のリピーター?の多い病院」の完成です。

(相沢康夫 コプタ通信2006年8月号より)

なおやこどもクリニック
小児科、アレルギー科

東京都江東区東砂 7-19-13
ベルコモン南砂2F(地図
TEL 03-5653-0708


プランニング


○月○日 坂口さん夫妻ご来店

東京の小児科医、坂口さんご夫妻がご来店。新しく建てるクリニックの待合室をどうしようか?と検討中で、『プレイオン』を参考にしたいと見学にいらっしゃったのである。(この日、私は外廻りに出ていて不在。社長の柿田が対応)
「是非ともTVだけは置きたくない」というのが、院長・坂口直哉氏の切なる思いで、これには柿田も共感。いろんな話で盛り上がったと思われる。


百町森「プレイオン

○月○日 ご依頼を受ける

奥様の裕紀子さんより改めて私に電話依頼がある。「待合室に大型遊具のゲミノを置きたい」のこと。また、静かに楽しく遊べる、おもちゃもいくつか置きたいとも…。どちらも資料は、先日のご来店時にお渡ししてあったので、カタログを見ていただきながらゲミノに関しては『ショッピングモール』(右写真)をベースに改良していく事で合意。


ショッピングモール

○月○日 オリジナルプランにする

待合室の図面がFAXで届く。プレイスペースの一角に四角いでっぱり(柱)がある事がわかり、『ショッピングモール』をそのまま角に寄せて納めるのは無理と考えられる。ショッピングモールの部材を組み替えつつ、オリジナルプランを作ろうという事になる。

○月○日 プラン検討

裕紀子さんとのFAXとメール、電話のやりとりで、プラン1が出来上がり。それをまたこちらからFAX。こんなやりとりが何日間か続く。

○月○日〜○月○日 プラン決定

プラン1から2、2から3へと往復が続く。この間、ゲミノ輸入元(株)アネビーの横山諭氏のアドバイスなども受けながら、楽しくプランニングしてゆく。

何日目かで、最終プラン5に落ち着き、これで決定! という事になった。ゲミノは発注から納品まで、約3ヶ月がかかる。開院になんとか間にあいそうでなによりである。

ひとまず、ホッ…。『ショッピングモール』からすると、随分シンプルになったが、シンプルいう事は飽きがこないで長く遊べるという事で、うまいところに着地した感がある。よしよし…と、今、自分で満足していてはいけない。仕上がった時に坂口夫妻に満足していただく事が私のホントーの満足なのだ。


プラン1
プラン2
プラン3
プラン5(決定)

おもちゃ・絵本のリストアップ


○月○日 おもちゃの検討開始

待合室の中に置くおもちゃの検討に入る。坂口さんの希望に沿いながら、おススメのおもちゃのリストアップを作成。これもFAX、メール、電話のやりとりで検討してゆく。細かいパーツがあるもの、音が出るものを避けて、なるべく管理しやすいモノを…と選んでゆく。

まず、最初に決まったのは、ままごとコーナーである。エルフ社の新製品、流し台レンジのロングタイプ(流しとレジの間に調理するスペースがある)、冷蔵庫、電子レンジ等々。あと、ゲミノにお店屋さんコーナーがあるので、これに関連するカゴや入れ物を選ぶ。リストアップの仕事は楽しい。


おもちゃのリスト

○月○日 

リストアップ終了。FAXでリストを送る。ついでに家具類を設置したイメージ図を作ってみる。ゲミノのラフに流しや冷蔵庫、テーブルを配置。もちろん、物の長さを測りつつ、同じ縮尺で書き込んでいかないと、現場でモノが入らなかったりするから注意しながらの作業である。コンピューターの3次元CADあたりでする仕事を、私は全て手描きでやる。今の所、この方が早いし、なにより楽しい。イメージ図もFAXする。


ショッピングモール内側
外側から見た図

○月○日 おもちゃも描き込んでしまう

このイメージ図を作る作業があんまり楽しいので、この図に、リストアップしたおもちゃもはめ込んでみる事にする。正確に1点ずつイラスト化して、置くべき位置を決め描きこんでゆく。

このプロセスで私は1つ画期的な事を思いついた。それは、ゲミノのお店の部材の板を一枚外して、流し台レンジの正面ボードに代用するというもの。流し台レンジロングタイプは、流しと調理スペース、レンジの位置関係は完璧なのに、正面ボードが付いていない。そこが私は不満でならなかったのだ。しかし、ゲミノの板を見ると、ぴったり120cm、使える!! やった〜と、小躍りする私。もっとも坂口さんの意見を聞いてからの話だが、ぜひ実行したいと思い、イメージ図の中にもこれ(移動)を描き込む事にする。


白木流し台(Lタイプ)
おもちゃを描き込んだイメージ図

○月○日 おもちゃ決定!

坂口ご夫妻にも、私のおもちゃ入りイメージ図を喜んでいただき、なによりである。おもちゃは、私がリストアップしたものをベースに、坂口さんが選んだもの、やめたもの、色々あわせて全て決定し、ご注文いただく。ありがとうございます。輸入元、アトリエ・ニキティキ他にすぐに発注する。

○月○日 絵本もリストアップ

裕紀子さんから「待合室に絵本も置きたい」という希望がくる。「おまかせするから、100冊選んで」とのこと。信頼していただき、光栄の至りです。絵本は店の絵本棚からチョイスしてゆく。1点だけ、坂口さんからのリクエストがあり、「クリニックのロゴマークを絵本作家のたむらしげるさんに頼んだので、たむらさんの絵本を何冊か入れて欲しい」とのこと。了解です。FAXでロゴマークを送っていただく。うまい!! シンプルで素晴らしいイラストレーションだ。

ランスロットシリーズ全3冊他、数点を選ぶ。絵本は定番を中心に、私の大好きな本ばかりを選ばせてもらう。この作業も楽しい。今森光彦の『世界昆虫記』はちょっと高額で迷ったのだけれど、入れさせてもらった。

○月○日 納品日決定

開院は、2006年4月下旬を予定しているとの連絡があり、納品日を決定した。納品はゲミノ、おもちゃ、絵本、全て4月3日に決まった。ゲミノの組み立てがあるので、私も納品日の翌日に現地に行く事にする。


なおやこどもクリニックのトレードマーク(©たむらしげる)

百町森サイトのたむらしげるコーナー


4月4日、組立て


さあ、今日は納品、組み立て日である。朝、7時18分の新幹線に乗って、いざ東京へ…。約束の9時半前にクリニックに到着。すぐに坂口ご夫妻とお姉ちゃんと弟(小学生と園児)も到着。裕紀子さんとは何度も電話でお話ししていたのだけれど、会うのはこれが初めて。思ったとおりのイイ感じのご一家だ。「はじめまして。」

さて、まずは届いた荷物の検品だ。これは百町森から送る時にも私自身で検品しているので、まちがいなし…と。次に家具類(レンジ・棚)の組み立てである。ブロック社の家具は、とても品質が高く、安定感がある。私は、たぶん日本一数多く、これらの組み立てをしていると思う。ま、慣れたもんだね。とはいえ、流し台のロングタイプはこれが始めての組み立てである。

10時過ぎ、柿田到着

さて、ロングタイプには1点だけ問題があった。高さの調整ができず、レンジのある天板までの高さが60cmの1タイプのみなのだ。背板の高さが60cm。ただし、横板には53cmの位置に穴が開いている。(これは、ショートタイプと部材を兼用しているからだ)病院の待合室は、いろんな年齢の子が遊ぶという事を考えると、やはり53cmの方がいい。坂口さんと相談して、背板を7cm切り落とす事に決める。柿田にノコギリを買ってきてもらい、背板を切り、高さ53cmのロングタイプが完成! 後はゲミノの板が正面ボードに付けば完璧なのだが…。

午後1時、(株)アネビーの須田氏がゲミノと共に到着

早速、積み込み作業、梱包をとく作業に続き、ゲミノの組み立てを手伝う。さて、問題のお店やさんごっこの板だが、残念ながら、幅が120cmに3cmほど足りないため、流用する事は不可能と判明した。く、くやしい…。あきらめきれない私は、クリニックの向かいにあるDIYホームセンターに正面ボードを探しにゆく。あった! ありました。ピッタリサイズの板が。結局それを買って、流しに取り付ける事に成功したのだった。そして、予め用意してあったネットと取り付け金具、お玉、泡立て器、ふきん等をそのボードにかける。(これらは百町森からのサービス)

柿田、別の用事があって退席。入れ替わるように横山氏が到着

いろいろあったが、ともかく、こうして待合室のプレイコーナーは見事に出来上がったのだ。世にもめずらしい「子どもが行きたくなっちゃう小児科」として話題を呼ぶにちがいない。仮病のリピーターも増えるかも…。坂口ご夫妻にもとても喜んでいただき、ホントによかった。私としても最初から最後までとても楽しく、充実した仕事であった。

設置前の状態

家具類の組み立て完了

須田氏と共に組立て

私(手前)は、流し台の正面ボード取付作業中

ゲミノもかなりできました

ついに完成しました!

全体 お店やさん 丸窓(奥は流し台)

流し台(特製の正面ボード付き) 丸窓の内側

5月24日、お礼のメールをいただきました


柿田様、相沢様、百町森のスタッフのみなさま

(前略)

おかげさまで待合室は患者さんにとても好評です!!クリニックにみえる患者さんのほとんどが一度はゲミノの中に入り、幼稚園ぐらいの子を中心に猛烈に台所仕事にいそしんでいます。小学校中学年ぐらいまではゲミノの中で無心で遊んでいるので、見ていてとても微笑ましいです。結構なお兄ちゃんにみえる子でも、妹に指示を出しながらゲミノの電話で「もしもし、もしもし」やっていたりして可愛いです。立っちのできないベビーちゃんでも、お母さんが一緒に連れて入って中で遊ばせています。大盛況です。バスベビーも大人気で、寝たり起きたりご飯食べたりめまぐるしく活躍してくれてます。

一方で静かに絵本を読んでいる親子も多いです。土曜日には、お子さんに絵本を読んであげているお父さんがたくさんいらっしゃいました。いい絵本を選んでいただいて、本当によかったとつくづく実感しました。なかでも子供たちに一番人気なのは今森光彦さんの「世界昆虫記」のようです。私もすっかり昆虫記ファンになってしまったので、退屈していた女の子にぱらぱら見せてあげていたら急に目をキラキラさせて(本当に)「最初から読んで!」とリクエストされました。すごく嬉しかったです。絵本は一冊づつ図書館のように透明のシールでカバーし、相沢文庫と呼ばせていただいております。

(後略)

それでは。
坂口直哉 裕紀子


6月30日、様子を見にいってみました


午後3時、クリニックに到着。開院以来、初めての訪問である。

「こんにちは〜」ちょうど予約患者さんの診療を終えた直哉先生にお会いすることができた。

おもちゃや絵本もとても評判がいいとのこと。特に絵本は、「毎回来るのが楽しみ」と行って下さる患者さんが多いそうで、ホントによかった。そう言えば、私も子どもが小さい頃、何度か小児科に行ったが、ロクなものがないので、自分で持参した覚えがある。診察室も見せていただく。ニックスロープと丸スズが置いてあった。乳児などは、ニックスロープに気をとられているうちに、さっと注射してしまうこともあるんだそうだ。

待合室の写真撮影の許可をいただき、何枚が撮らせていただく。本当に落ち着いた雰囲気の待合室である。壁には、私の大好きな絵本「ドアがあいて・・・」の絵が4点額装されて飾ってあった。素晴らしいセンス!(だって、この絵本は全シーン病院の待合室なんだもんね。待合室に待合室の絵)ほどなく裕紀子さんもいらっしゃって、「お久しぶりです」「お世話になりました」「こちらこそ・・・」

患者さん親子2組に写真撮影の許可をいただき、ままごとなどで楽しげに遊ぶ子どもたちの様子を撮らせてもらう。(こんなに楽しげで、この子たちどこが悪いのかなァ?)なんちゃってね(笑)。

お土産までいただき、恐縮しながらクリニックを後にする。ホントーにお世話になりました。ありがとうございました。