先月、中ごろ。夕暮れどき、2階の部屋で仕事をしていたら、カーテンの向こうの、隣の瓦屋根が、ぱあーっと、真っ赤に燃えている。うわッ! 火事?! あわててテラスに飛び出したわたしは、もっとびっくりした。 「・・・! “夕焼けだぁ。”」 東側のアパートのコンクリートの壁も照らされて、燃えるような力を放っている。 西の空は・・・今までに見たこともないほどの、真紅の光。 あたり、一面、屋根も、雲も、空気の粒子も、(おそらく、わたしも、)全く自然の「茜色」に染まっている。 「茜色だぁ。」 その茜色の、天然の色に、わたしはそれまでの自分の小さな考えを失ってしまった。 茜色の空のその日、翌日の天気予報は、「大雨」だった。 けれど、次の日、空は、からっと晴れた。
露木大子 (伝承/阿部ヤエ)
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